寿司図鑑 772貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

大鮃昆布締め/オヒョウ

おひょうこぶじめ / オヒョウ
大鮃昆布締め/オヒョウ
握り

関東ではなかなか手に入らない魚にオヒョウがある。
 この魚、その昔、ヒラメの偽物扱いされていたことがある。それくらい北洋でとっていたわけで、ボク自身もなんどもフライで食べている。
 それが資源の枯渇や、禁漁区などの設定で、食卓からは遠い存在となっている。

 国内ではオホーツク海で少ないながら水揚げがある。
 アラスカなどで揚がる2メートルなんていうのは望めないが、1メートルくらいは珍しくない。
 今回のものは北海道紋別市であがった50センチ弱、撮影用に手頃とあって、『まるとみ 渡辺水産』さんからいただいたもの。

 卸したらマコガレイにそっくりのきれいな白身。
 すし職人のたかさんはボクと同世代なので冷凍オヒョウのフィレを知っている。
「ああ、こんな白っぽい身だったよね。同じようだ」
 鮮度的に刺身にはなるが、味わいはそんなの上等ではない。
 うまみに欠けるところがある。
 ムニエルやフライはうまいものであったが、刺身にするとやや落ちる。
 ただしオヒョウの旬がわからない。とれたてなら、また違ってくるだろうし。

 生のまま握りにして、やはりだめとなり、改めて昆布締めにして挑戦する。
 こちらは上々の味わいとなった。
 クセのない上品な白身なのだから、ほどよく昆布の香りがつくと断然違ってくる。
 適度に水分が抜けているのもいいようだ。
 昆布締め大好き人間である、たかさんなど大喜び、当然握りとなっても素晴らしい。

「昆布締めにしても、うまいのとまずいのとがあるじゃない。オヒョウはとても昆布締めに向いていると思うよ」
 たかさんも、握りをつまみながらこんな感想を漏らす。
 ボクはあと3かん追加して、オヒョウの昆布締めに舌鼓を打つ。
 
まるとみ 渡辺水産
http://marutomi-kani.com/

寿司ネタ(made of)

オヒョウ
Pacific halibut, Northern halibut

オヒョウ
昔、「カレイなのにヒラメとはなんだ」と新聞・テレビを騒がせたことがある。まことに愚かな話だが、カレイとヒラメに確固たる定義はない。本種も大型の「かれい」でいいのだ。
国内で揚がる食用のカレイは30種近い。なかでもいちばん大きくなる。
輸入も・・・・
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