寿司図鑑 467貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

煮立て穴子/マアナゴ

にたてあなご / マアナゴ
煮立て穴子/マアナゴ
握り

晩秋に撮影したもので、マアナゴの旬からしても来夏に取っておきたかったのだが、あまりにうますぎて、その感動が冷めぬ内に掲載する。それが煮立て穴子なのである。「市場寿司 たか」では毎日使い切るほどのマアナゴを煮る。そして出来るだけ当日使い切るようにしているのだ。その煮上がったばかりの穴子を「煮立て穴子」と呼ぶ。翌日まで残ったものはときにはちらしなどに入れてしまう。穴子は煮上がると、そのまま鍋でさます。やっと手を入れられるようになったら、まるで壊れ物を扱うように細心にバットに上げる。ボクはこの時間帯をねらってカウンターに座る。「もう少し待てよ。まだ握れないよ。身が落ち着いてからにしてくれない」という、たかさんに無理矢理、それこそ土下座してでも握ってもらう。それは口に持っていく間にもくずれるほどに柔らかい。まず、鼻で穴子の芳醇な香りを楽しみ、あ・うっと口に放り込む。このときついつい受け口になる。そして舌で受けた途端に穴子が溶け始める。鼻で感じるよりももっと強力な香りが口から鼻に抜けていく。すし飯といつの間にか渾然一体となって、まるで握りの秘密の花園に迷い込んだようではないか。陶然としていたら後ろから「たかさん、次はオレだよ」。これはうまいもん好きの肉屋である。市場人がこぞって狙っているのである煮立て穴子を。

寿司ネタ(made of)

マアナゴ
Conger-eel

マアナゴ
北海道〜九州までの内湾に生息する。食用になっているアナゴ科の魚は数種いるが、そのなかでももっとも漁獲量が多く、知名度が高いために「真」をつけて「真穴子」と呼ばれている。
人口の多い都市部のある大きな湾(例えば東京湾、伊勢湾、三河湾、大阪湾、・・・・
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