寿司図鑑 576貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

チュルボ

ちゅるぼ / チュルボ
チュルボ
握り

チュルボ(ターボット)は地中海、北部大西洋東沿岸の棲息する。
 よくフレンチ食材の商社のカタログに載っている魚である。
 それが活けで手に入ったのだ。
 遙かヨーロッパの魚である。
 良識的に考えて活けで入荷してくるなんてありえない。
 仲買に聞いてみると「香港産らしいよ」という。
 調べるとチュルボの稚魚を中国沿岸で養殖したものだったのだ。
 しかも荷主は香川県漁連。
 香川県漁連というのは古くは「はまち」養殖で名をはせ、今では商社そのものだと言われている。
 念のために問い合わせると、間違いなく香港からのものだという。
 こんなところが水産の国際的な流通の面白さだ。
 いかにフレンチなどで知名度があっても活けとなると刺身市場を対象とすることになる。
 とすると途端にチュルボを知る人は皆無となる。
 値段は高くもなく安くもなくとなっている。

 値段は微妙でキロ当たり2000円ほど。
 あまり大きくないので2キロ弱。
 これをしめて「市場寿司 たか」に持ち込む。
 五枚におろすや
「これは凄いね。きれいだね」
 そこで五、六かん握りにする。
 そこに歯のない(市場内の)肉屋が割り込んできて、一かん口に放り込む。
 口をふにゃふにゃ言わせながら、
「うまいなー。もっと軟らかいといいんだけど甘味があるし、もっもー」
 どうやら「もっと食わせろ」と言っているらしい。
「これはホシガレイなんかと同じだね。大型のヒラメなんだから、ヒラメと比べるか」
 たかさん曰く、養殖物ならヒラメと比べても遜色はない、ということになる。
 シコっとしているのは活けのせい。
 甘味も旨味も薄いのは締め立てだからだ。
 だからしばらく間をおいて甘味と旨味がくる。

 念のために翌日、翌々日と味わってみたが食感は悪くなるが旨味も甘味も上々になる。
 チュルボは新しい養殖魚として大いに期待できそうだ。

寿司ネタ(made of)

イシビラメ
Turbot

イシビラメ
フレンチでのヒラメのひとつ。ヨーロッパでは重要種。
中国、韓国などで大量に養殖されている。韓国国内では大量に見られる。中国・韓国で食用魚として一般的なものとなっている可能性が高い。
今回のもの中国で養殖されて、活けのまま空輸されてきたもの。・・・・
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