寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
底糸縒/ソコイトヨリ
そこいとより / ソコイトヨリ
握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
「本家(?)を追い越すくらいだな」
このところ毎日のようにソコイトヨリが入荷してきている。
対するにイトヨリはあまり入荷してこない。
本来なら「ばけ」とか「ばけいとより」なんて偽物扱いだったのが、値段からしても本家イトヨリにおっつかっつなのだ。
ちなみに築地場内でも「ばけ」という言葉が聞かれなくなっている。
どうやら本家イトヨリの水揚げ量が減っているためもあって、「本家」「ばけ」を分ける意味合いがなくなってしまっているようだ。
火曜日は魚が少なかった。あまりめぼしいものがないなかで、ソコイトヨリが目に飛び込んできた。
やはりいつ見ても美しい魚だ。
これを二本ほど買い求めて、『市場寿司 たか』に持ち込む。
ソコイトヨリはなんども握っているので、たかさん(渡辺隆之)は迷うことなく鱗をひき、三枚に卸して血合い骨をぬく。
皮霜造りにしてネタの切り付けをする。
出来上がった握りの、これまた美しいこと。
「いいね。かわいい雛のすしって感じだね。七月だけど」
ボクがワケのわからないことを言っている間にたかさんは一かん目。
「おお、やっぱりコイツ寿司ネタとして上等だな。身に個性があるよな」
酢飯に負けぬ個性(特徴)があると、例えば小鰭(こはだ)のように定番的な寿司種となる。
その個性(特徴)がソコイトヨリには備わっている。
これは身の旨味ではなく皮の風味が合わさったものに違いない。
やや軟らかい身で寿司飯との相性もいい。
そこに常連さんがやってきたので「おまかせ握り」にもソコイトヨリを一かん加える。
「どうです。そこ皮つきのヤツ」
ゲタの上の握りはきれいさっぱりなくなっている。
「うまいよ。これと八の身を一つずつ追加ね」
寿司ネタ(made of)
ソコイトヨリ
Yellowbelly threadfin bream 台湾/底金線魚、紅海鯽、金線鰱、紅姑鯉(澎湖)
関東ではあまりイトヨリダイと区別しないで売られている。
高級魚のひとつで小売店にまでいかない。
一般家庭で料理される魚ではなく料理店などで食べる魚といったもの。・・・・
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