寿司図鑑 雑記5

穴子を煮る

2005-05-25
アナゴを煮る様子
『市場寿司 たか』はいたって普通の寿司屋である。ただ違っているのはいかに儲けるかではなく、「店主もほどよく、客もほどよく」というとわけがわからなくなりそうだが、これが一つの目標だろう。一度に店主が相手するのは7人ほど、また決して高価すぎるネタを使わない。ときには手間も仕入れ値段も惜しみ、それがお客にプラスになるようにしている。それでも一人っきりで切り盛りする店であるから、疲れ果ててしまうこともある。とくに土曜日など八王子綜合卸売センターという市場に来るのではなく『市場寿司 たか』をめざして来る人が店の前で並んでいるのだ。「寿司屋としては、もっとゆったり食べて欲しいな」と、たかさんは呟く。ゆっくりときに季節のネタなどを楽しむなら平時の午後がいいし、また朝も早くならベストである。準備中の8時半から11時に仕込んでいるのは穴子。開いて塩でぬめりをとり、水洗い、さっと茹でて、ゆで汁を半分捨てる。後は少しずつ調味料酒を加えて煮上げていくのだ。

●東京都八王子市北野八王子 綜合卸売センター内 「市場寿司 たか」
http://www.zukan-bouz.com/zkan/zkan/rink/gest.html