寿司図鑑 雑記37
三重県尾鷲市『一重』
2009-08-10
今では尾鷲市長となられた岩田昭人さんに案内してもらった、尾鷲の住宅地にあるすし屋である。
岩田昭人さんは間違いなく食いしん坊で、所謂嫌みな言い方になるが食通でもある。
誤解を恐れない言い方をすると、食魔といってもいい。
自家菜園にはたぶん百種類を超える野菜、春には山菜、たぶん秋にはキノコ狩りに夢中になっている、はずだ。
全国的にも人気を博している『一日一魚』の作者なんだから、魚通だろう、なんて、そんな単純な表現ではとても理解できそうにない奥深さを持っている。
このような方が尾鷲市長になったということは、三重県尾鷲市は食の町として盛名となるに違いないな、と思う。
さて、そんな岩田さんごひいきの『一重』とは、どのようなすし屋なのか?
残念ながら、岩田さんを介しての想像でしかないが、一回食べただけで、「この店の常連になれたらいいな」と思うような店だった。
場所柄は明らかに住宅地。
港からも市街地からもやや離れてしまっている。
まことに閑静なところだ。
店の造り自体も住宅地を思わせて、「しもた屋かな」と、のれんがなければ通り過ぎてしまいそう。
のれんをくぐると、右手にカウンターがあってネタケース、つけばには職人さんがお二人。
店がすし屋らしく明るいのがまことに好ましい。
左手にやや大きめの座敷がある。
出てきた、お任せ八かん、細巻き一本が大きさといい、形といい、なんともほどがよい。
しかもネタのほとんどが地物なのだから、旅人にはうれしい限りだ。
さて、三重県尾鷲市『一重』の握りを食べていくとしますか。
一重 三重県尾鷲市南陽町9ー3