寿司図鑑 577貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

初秋刀魚

はつさんま / サンマ
初秋刀魚
握り

 2008年初夏、曇り空の下で野甘草の臙脂色の花がこわいほど美しい。
 野甘草の花はボクのもっとも好きな花だ。
 天気予報は一日曇り空、雨の確率は低いという。
 八王子魚市の半分がパチンコ屋に売られてしまって、工事の関係で駐車場が極めて狭くなってしまっている。
 やっとクルマをとめて、場内にはいると、すぐに目に飛び込んできたのがサンマだ。
 今週初めには北上する脂の薄いサンマが入荷してきていたが、これはどう見ても北海道東沖に達した新サンマに違いない。
 担当者に値段を聞くと一本200グラム前後が750円。
 だいたいキロ当たり3500円で、例年の平均的な値段。
 他の店には300円前後(キロ当たり1500円から1700円)のもあるが、やはり初サンマなのだから最大のものを選ぶ。

 恒例の初サンマの味見に「市場寿司 たか」に持ち込む。
「いったいいくらしたの」
「七百五十円だよ」
「初サンマとしては普通かな。三百円のも見たけど、こいつはデカイね」
 そう言えば、去年の初サンマを食べたのが昨日のようだ。
 五十路になってから時間が経つのがものすごく早い。
 やがて目の前にきれいな握り三かんがやってくる。
 それはそれは美しい。
 銀皮が輝いている。

「やっぱり、脂は少ないね。先日の上り(サンマ)と比べるとさすがだね。やっぱりサンマはうまいね」
 本当にサンマはうまい。
 脂が少ないとはいうものの“トロっと感”は充分に感じられるし、甘味がある。
 そこに酸味を帯びた青魚の強い旨味。
「たかさん今年のサンマは脂がのって上々じゃない?」
「そうだね。初物としてはいいね。なんせ七百五十円だもの」
 近所のちょんまげ切り男にご馳走してやったら、
「今年もいっぱいサンマを食うぞ」
 なんていきなり大声を出す。

 これから毎日のようにサンマを見るようになる。
 そして十日もしたら飽きてきて、値段が下がるとマイワシ、マサバとともに夏秋の青魚の最盛期となる。

寿司ネタ(made of)

サンマ
Pacific saury

サンマ
サンマ科(広い意味でのサンマの仲間)は世界中に4種。もっと狭めてサンマ属は太平洋に2種だ。サンマ科で食用となるのは太平洋にいるサンマと大西洋にいる1種類。ただしサンマほど大量にとれ、食用として重要な種はいない。
サンマは北太平洋に広く分布。・・・・
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