寿司図鑑 789貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

梅雨前の秋刀魚/サンマ

つゆまえのさんま / サンマ
梅雨前の秋刀魚/サンマ
握り

紫陽花(あじさい)の花がきれいだ。
 純粋に純粋に感動できる。
 ボクとか、パチンコ大好きの、たかさんだって、紫陽花の前で、立ち止まってしまう。
 その一瞬が悲しいような、寂しいような、また愛おしいような。
 見上げれば曇り空で、どんよりした、例えば何処からかS&Gのクラウディが聞こえてくる。
 きっと、たかさんの場合、全然違う曲が流れているんだろうけど、思い出していちばん美しい情景って6月ではないだろうか。
 6月は知らず知らずに心に深く刻まれていく。

 そして現実の市場は活気がない。
 近所の魚屋のオヤジは、
「早く新サンマこないかな、生のサンマが欲しいね」
 目の前にサンマがあって、“生サンマ”とあるのに、そんなことを言っている。
 なぜ目の前のサンマを無視しているかというと青森県産だからだ。
 ここが微妙なのだけど、「青森県陸奥湾あたりでとれたらしいよ」、こんなことを仲買が話す。
 魚屋、飲食店主は「それじゃ脂がないだろう」と気持ちがそこに行かない。
 サンマはあくまで北海道東沖に達してから脂がのってくる、近年ではそう信じられている。
 また実際にそうなのだからどうしようもない。
 しかも青森県だとして、このサンマが日本海系群なのか、太平洋系群なのか、わからない。
 それでも好奇心からままよ、と買ってしまう。
 どちらにしても脂はないだろう。
 でも触ってみた感じではそこそこに脂はあるとみた。

 実際に『市場寿司 たか』で下ろしてもらうと、ほどよく脂があり、刺身で食べるとうまいのだ。
 秋のサンマのように口に入れるとトロっとしないけど、その分、魚らしい旨味に満ちている。
「たかさんよ、コイツはうまいんじゃない」
「うまいよ、オレはこれっくらいのサンマがいちばん好きだね。秋のサンマと言ったら脂がのりすぎていて、サンマ本来のうまさがわからねえ」
 当たり前だけど、握りの味わいも絶品だった。
 どこまでも脂の甘さにこだわるならまだしも、サンマの旨味はこちらの方が堪能できる。
 ほどよい酸味が感じられるのも脂が少ないせいだろう。
 後味がいい。

 世間の人たちも、そろそろ脂の甘み・とろみの束縛から脱して、魚本来の旨味に目覚めたらいかがだろう。
 梅雨サンマというのもうまいのだよ。

寿司ネタ(made of)

サンマ
Pacific saury

サンマ
サンマには日本海産と太平洋産がある。一般的にサンマというと太平洋を回遊するものをさす。
古くは塩蔵か干ものとして食卓をにぎわせていた。江戸時代江戸の町で食べていたものも、また山間部などに送られていたものも干もの、もしくは塩蔵品だ。また江戸の・・・・
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