寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
梅雨前の秋刀魚/サンマ
つゆまえのさんま / サンマ
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紫陽花(あじさい)の花がきれいだ。
純粋に純粋に感動できる。
ボクとか、パチンコ大好きの、たかさんだって、紫陽花の前で、立ち止まってしまう。
その一瞬が悲しいような、寂しいような、また愛おしいような。
見上げれば曇り空で、どんよりした、例えば何処からかS&Gのクラウディが聞こえてくる。
きっと、たかさんの場合、全然違う曲が流れているんだろうけど、思い出していちばん美しい情景って6月ではないだろうか。
6月は知らず知らずに心に深く刻まれていく。
そして現実の市場は活気がない。
近所の魚屋のオヤジは、
「早く新サンマこないかな、生のサンマが欲しいね」
目の前にサンマがあって、“生サンマ”とあるのに、そんなことを言っている。
なぜ目の前のサンマを無視しているかというと青森県産だからだ。
ここが微妙なのだけど、「青森県陸奥湾あたりでとれたらしいよ」、こんなことを仲買が話す。
魚屋、飲食店主は「それじゃ脂がないだろう」と気持ちがそこに行かない。
サンマはあくまで北海道東沖に達してから脂がのってくる、近年ではそう信じられている。
また実際にそうなのだからどうしようもない。
しかも青森県だとして、このサンマが日本海系群なのか、太平洋系群なのか、わからない。
それでも好奇心からままよ、と買ってしまう。
どちらにしても脂はないだろう。
でも触ってみた感じではそこそこに脂はあるとみた。
実際に『市場寿司 たか』で下ろしてもらうと、ほどよく脂があり、刺身で食べるとうまいのだ。
秋のサンマのように口に入れるとトロっとしないけど、その分、魚らしい旨味に満ちている。
「たかさんよ、コイツはうまいんじゃない」
「うまいよ、オレはこれっくらいのサンマがいちばん好きだね。秋のサンマと言ったら脂がのりすぎていて、サンマ本来のうまさがわからねえ」
当たり前だけど、握りの味わいも絶品だった。
どこまでも脂の甘さにこだわるならまだしも、サンマの旨味はこちらの方が堪能できる。
ほどよい酸味が感じられるのも脂が少ないせいだろう。
後味がいい。
世間の人たちも、そろそろ脂の甘み・とろみの束縛から脱して、魚本来の旨味に目覚めたらいかがだろう。
梅雨サンマというのもうまいのだよ。
寿司ネタ(made of)
サンマ
Pacific saury
サンマは北太平洋に広く分布。・・・・
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