寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
樽サンマ
そんさんま / サンマ
握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
やっと大型船のサンマ棒受け漁が始まったようで、値段ががくんと下がった。
「これからはサンマ食べときゃ、問題ないな」
近所の魚屋オヤジが呟く。
〈サンマが出るとあんまが引っ込む〉
こんな戯れ言もサンマの栄養価の高さからだろう。
とにかくサンマって「いいことばかりのてんこ盛り」ってやつだ。
九月になって東京ではサンマ、サンマと喧しい。
ボクとしてはこんなとき「安いうまい」のサンマは脇において、「少々高いが、よりうまい」サンマを探す。
ありましたね。
普通は五キロ判、三キロ判の四角い発泡に水氷で入っているのだが、こっちはまん丸い樽型の豪華な発泡入り。
並が1本百円、八十円なら、こちらは二百六十円(卸値)なり。
三陸は坂本水産からきた樽入りサンマである。
鮮度も並よりもかなり上に思える。
これを『市場寿司 たか』で握ってもらう。
一週間に一度は味見するサンマの握りである。
ささーと卸して、ネタの切り付けをしながら味見した、たかさんの悲鳴のような一言。
「これサンマじゃない」
「じゃあなに?」
「サンマだけどぜんぜん臭みがない。上品な、なんていうのかなー、困った味だ」
「うまいってこと?」
「うますぎるってことだね」
握りに仕立てたらもっとすごかった。
口にいれるとトロっと溶けるような感じ。
よくよく切り付けたネタを見ると、透明な寒天のような層があって、これが白濁しない前の脂なんだろう。
舌の上で溶けて、すーーーと消えていく。
淡麗な旨味を残して。
「サンマってこんな味だっけ」
物覚えの悪い五十路オヤジだから、きっと去年もこんな事を言っていたのだろうね。
考えてみると高級料理店が高いサンマを仕入れる。
そんな店に限って本番は夜だから、どんなにいいものを仕入れても、この透明な寒天のような脂は白濁しているに決まってる。
朝だから味わえるサンマの味なのかも知れぬ。
「たかさんよ、オレたち幸せだね」
寿司ネタ(made of)
サンマ
Pacific saury
サンマは北太平洋に広く分布。・・・・
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