寿司図鑑 644貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

焼き穴子/マアナゴ

やきあなご / マアナゴ
焼き穴子/マアナゴ
握り

さて、ほんの短い時間なのに、「吾妻鮨」の居心地のよさに馴染みの店に来たように思う。
 暑さにぼやけた頭が徐々に動き出したようで、ネタケースのなかがよく見渡せるようになった。
 珍しいネタや、特筆すべきものはないように思えるのだけど、どうにも気になるものがある。
 それが焼き穴子だ。
 「吾妻鮨」の大阪にあっても東京風なものを感じていたところに、いかにも関西風のネタではないか。
 マアナゴは関東では「煮る」、関西では「焼く」ものなのだ。

 葉蘭の上にのった姿がよろしいな。
 この風情は大阪的なものだ。
 ほとんど白焼きのものに煮きりを一刷毛塗ってある。

 口に持ってきただけで香ばしい焼いた香りがする。
 思ったよりも軟らかいのが不思議だ。
 どうやら小振りのマアナゴを選んで仕込んでいるようだ。
 適度に口の中でほぐれて、甘さと旨味が浮かぶ。
 「吾妻鮨」のややはんなりしたすし飯とよく馴染んで、口中から消えていく。

 「市場寿司 たか」の渡辺隆之さんは東京で修業して、東京で店をだした生粋の江戸前寿司職人なのだけど、「焼き穴子を握ると、大阪のすしになる」と言った。
 まさに焼き穴子は大阪らしいネタである。

吾妻鮨 大阪府大阪市都島区都島本通り3

寿司ネタ(made of)

マアナゴ
Conger-eel

マアナゴ
北海道〜九州までの内湾に生息する。食用になっているアナゴ科の魚は数種いるが、そのなかでももっとも漁獲量が多く、知名度が高いために「真」をつけて「真穴子」と呼ばれている。
人口の多い都市部のある大きな湾(例えば東京湾、伊勢湾、三河湾、大阪湾、・・・・
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