寿司図鑑 707貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

松江市内『大鯛寿司』の十二かん、その三鮃昆布締め/ヒラメ

ひらめのこぶじめ / ヒラメ
松江市内『大鯛寿司』の十二かん、その三鮃昆布締め/ヒラメ
握り

淡々ときて、また淡(白身)のヒラメがきた。
 仕事がしてあり、ヒラメでは定番とも言えそうな昆布締め。
 白板昆布と、木の芽がのる。
 これは明らかに割烹の領域で、懐石料理のおしのぎにも出てきそうな一品。
 旬のヒラメなのだから、もう少しヒラメ本来の旨味を味わいたかったと、ちょっと落胆。
 ただ締め方は淡くて、ヒラメの旨味は生きている。
 まずいわけではない、むしろうますぎる。
 白板昆布も、木の芽も余計なものに思われるが、こんなところが松江らしさかもしれない。
 松平不昧の茶道は武家のもので、その文化も剛胆な部分がありそうに思えるが、姫を思わせる繊細なところが松江にはある。
 ヒラメがもったいないと思うのか、よくできた握り、こしらえ尽くした握りと感激するかが分かれそう。
 ボクとしては旬を外した「黄かな(アオハタ)」は昆布でしめてもいいが、ヒラメはもう少し分厚くして、うまさを堪能したい。

 さて、松江は魚どころだ。
 大橋川沿いの松江魚市場にいると魚好きは興奮する。
 血圧があがるほどに見事な魚に溢れている。
 『大鯛寿司』の若い職人さんは、松江の魚を市場で見ていないのではないか、なんて邪推する。
 松江の最大の弱点は地物水産物を一同にかいして見られないこと。
 例えば築地場内のような場所がない。
 街の魚屋が「納め」として配達したり、店頭で売っていたり。
 料理人は一軒の魚屋の目を通してしか魚貝類を見られない。
 そのせいか魚を扱う(料理する)にやりすぎてしまうのではないか?
 魚本来の持ち味を触りすぎている。
 もっと松江の魚貝類に馴染んで、愛して欲しいなと、この一かんで思う。

大鯛寿司 島根県松江市東奥谷町361-9

寿司ネタ(made of)

ヒラメ
Bastard halibut

ヒラメ
琉球列島をのぞく日本周辺に多く、浅い沿岸域のどこでもとれるもので、全国的な白身の高級魚でもある。
すしネタ、料亭などだけで使われるものだったが、中国などから輸入され、養殖技術が向上してスーパーなどにも並ぶようになってきている。ただし、輸入も・・・・
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