寿司図鑑 735貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

箒羽太/ホウキハタ

ほうきはぶた/ほうきはた / ホウキハタ
箒羽太/ホウキハタ
握り

ハタ科の魚の値上がりが甚だしい。
 たぶんよほどとれなくなっているのだろう。
 クエを筆頭に二千円以下(キロ当たり)が安く思えるほどだ。
 ハタ科の魚を大量にとる方法はない。
 あえて釣りだけが、その手だてだと思った方がいいだろう。
 だからよけいに、と思うけど、ここ数年の値の上がり方には驚きを感じる。

 さてそのハタ科でも高値となるのがマハタ属の魚たち。
 クエもマハタも「あこう」と呼ばれるキジハタもみんなみんな属を同じくしているのだ。
 しかもハタは大きければ大きいほど高いのだから困ってしまう。
 そして今回のホウキハタだって1メートル前後になる。
 ただし、そんな大きいのは買えるわけがない。
 築地場内イリヤマイチ斎藤で見つけて、若い衆にお願いして、お願いして、かなり値引き、重さも低めだとして買った一キロ上だ。
 伊豆諸島産だろうけど鮮度がいい。
 その日の内に卸して、アラは鍋物に、そして刺身を堪能して、片身をぬれぶきんにくるむ。

 片身をまな板にのせて、
「きれいな身だね。雪のような色だよね」
 まずは端切れを食べながら、味見。
「思ったより味が濃いんじゃないかな。たかさん」
 居合わせた常連客にも食べて頂く。
 やはり「おいしいね」との感想だ。
 ところがたかさんの感想は違っている。
「あんまりうまくないね。味がない。ハタってこんな味だっけな」
 思ったよりも厳しい評価なのだ。
 でも出来上がった握りはきれいだ。

 ハタ科の魚は身がやや硬く、それでいて旨味がある。
 でも旨味がサンマやサバのようなわかりやすいものではなく、穏やかな、ほんのりとしたもの。
 食べた後にまたジワリと甘みが来る。
 今回の小振りのホウキハタも、なんともいえず旨味があって、適度な食感を感じさせる。
 十二分にうまい握りだと思うのだけど。
 たかさんとボクの評価が分かれる一かんとなった。

寿司ネタ(made of)

ホウキハタ
Broom grouper

ホウキハタ
主に伊豆諸島以南、熱帯の岩礁域に生息している、やや大型になるハタだ。関東の市場には小笠原や鹿児島県からの入荷が多い。小笠原のハタ類ではもっとも普通のもので、本来入荷量の少ないハタ類の中では見かける機会が多い。
ハタ類なので非常に高価。当然、・・・・
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