寿司図鑑 736貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

山口県長門の「きずし」

きずし / マサバ
山口県長門の「きずし」
その他 Others

おからをご飯代わりに、すしにしたものが日本全国に残る。
 この「おからずし」の誕生は18世紀までたどれそう。
 米は長い間庶民にとっては縁遠い存在であった。
 しかも都会よりも地方でその傾向が強かったようだ。
 人の死に行くときに、竹筒に入った米をサラサラならして聞かせたという話もあるくらいで、米で作るすしがいかに高価で縁遠いものだったかがわかるだろう。
 また江戸の町に担ぎですしを売り歩く人がいて、浮世絵などに残っている。
 実はこれもおからのすしであったようだ。
 さて、たぶん江戸とか大阪など人口密集地で生まれた「おからのすし」は全国各地に散らばったのだろう。
 今では都会になくて地方にいくと見かけるものとなっている。

 山口県徳山市の市場(周南市地方卸売市場水産物市場)で見つけたのが「きずし」という「おからずし」。
 これを徳山の市場に来た人たちは「唐ずし(からずし)」、「唐ずし(とうずし)」という。
 徳山の市場で見つけたのが日本海側、三隅のもので、当地で「きずし」、瀬戸内で「唐ずし」と呼ぶのだと言うことがわかる。
 話はそれるけど三隅といえば香月泰男(かずきやすお)の生まれ育った、そして終焉の地ではないか。
 たかが、おからずしなれど、三隅に行ってみたくなる。

 閑話休題。
 形は長方形で5つ入り。
 イワシは国産ではなくカリフォルニアイワシだと思われる。
 それが硬く固めた甘酢っぱいおからの上にのっている。
 甘酸っぱいおからは少々だしなどで煮ているようだ。
 このおからの甘い味わいに上にのったイワシがちょっとすっぱい。
 全体の味わいはまず甘く、そしてすっぱいと思えばいい。

 うまいのか? と聞かれるとまずいとは言えないけど「うまい」とはとても思えない。
 でも子供の時に食べたものというのはいつまで経っても、忘れられないもので、山口県の郷愁の味わいなのかもしれない。
 ボクの勝手な意見ではあるが、うまいだけが持てはやされる世にあって、まことに貴重な存在に思える。

新友水産 山口県長門市三隅下3916-3

寿司ネタ(made of)

マサバ
Chub mackerel

マサバ
古くは大衆魚、下魚などとされ、安くてうまい魚の代名詞だった。鮮魚としても加工品としても、魚のなかでももっとも重要なもの。古代には「なれずし」が作られ、江戸時代には塩さばや干しさばが広く流通した。塩さばは、「お歳暮」の起源となった。
これが資・・・・
市場魚貝類図鑑で続きを読む⇒

この寿司ネタの他の寿司(Others)

ぼうずコンニャクの本

すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
すし図鑑ミニ
~プロもビックリ!~

すし図鑑が文庫本サイズに! Kindle版も。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!
からだにおいしい魚の便利帳
発行20万部突破のベストセラー。
地域食材大百科〈第5巻〉魚介類、海藻
魚介類、海藻460品目を収録。
おすしのずかん
ぼうずコンニャク監修の本。