「市場寿司 たか」で試行錯誤した新しい寿司ネタ、定番の魚貝類から各地の郷土料理や我が家の寿司まで種別に公開しています。現在めざすところは1000種のネタ図鑑にすることとし、市場と日本の水産物の可能性を試す。また地方での寿司というものを取り上げて我が国の「寿司」「鮨」「すし」のことを理解していきたいと思っている。
寿司図鑑 本巻
寿司図鑑 雑記
| 本巻751貫 | 金頭/カナガシラ |
2009年3月28日 |
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たかさんがホワイトボードを取りだして、マジックで品書きを書いている。
「カナガシラって漢字で書くとなんだっけ」
「金の頭だけど、何、カナガシラあるの」
「あるよ。鮮度がよくってさ、値段も手頃だからホウボウやめてカナガシラ買ってきた」
「うまい?」
「うまいよ。脂がのってるし、味がいいんだよ」
ふーんと思っていたら目の前に二かん並ぶ。
「まあ、味見して」
白く白濁したネタがむくむくと波打って見える。
むくむく盛り上がっているのは鮮度のいい証だし、白濁して見えるのは脂がのっているために違いない。
さて、ここでカナガシラとはどのような魚なのかを少々。
全身が薄いレンガ色。
漢字で「金頭」とも「鉄頭」とも書くがごとく、とにかく頭が固い。
その頭が大きくて、尾鰭の方に緩やかに細くなり、胸鰭が翼となっている。
胸鰭が翼なのだけど、その一部軟条(筋)が膨らんで昆虫の足のようになって、実際海底を歩いている。
分類学上はカサゴの仲間で、このように胸鰭が翼状になり、一部が昆虫の足のようになっているものをホウボウ科という。
陶然、近縁種にはホウボウがいる。
おもむろに一つつまんで口に放り込む。
すぐに甘みが感じられるのは、甘みではなく、脂の、本当はまったりとしているのが、甘く感じられてしまうもの。
表面の脂が甘く感じられて、食感も思った以上にいいし、ほどよく魚臭さがある。
すし飯との相性もいい。
「これ、どこでかったの?」
魚屋を聞いたので、曲がった鉄砲玉のように急ぐ。
ほんの数十秒ほど、そこには一匹のカナガシラも残っていなかったのだ。
致し方なく、魚屋の社長に、「どこのカナガシラ」なのか、聞いたが空し、産地不明。
●市場魚貝類図鑑、カナガシラへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/houbou/kanagasira.html