寿司図鑑 750貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

狸眼張/タヌキメバル

たぬきめばる / タヌキメバル
狸眼張/タヌキメバル
握り

「キツネかタヌキか?」、市場を歩きながら、メバル属(Sebastes) zonatusとvulpes を見つけるとため息が出る。
 どうやら別種でも亜種でもないのだろうけど、和名が一人歩きしているのだ。
 しかも今回のタヌキは箱もなく、パーチもなく、高野水産の社長も産地がわからないという。
 一尾だけ残ったヤツだからといって、ほとんど半値以下にしてくれたものだから、「買わないわけにはいかなくなった」というタヌキメバルなのだ。

 さて一尾だけ残ったいきさつはというと、近所の居酒屋のオヤジに、「これなんだけ?」と聞かれて、「マゾイ」だよ。
 「マゾイ」ってなんだっけ、と畳み込まれて「キツネメバルとタヌキメバルの二種類のことだ」と言ったわけだ。
 「じゃあ、キツネか? タヌキか? は」というので「タヌキだな」となる。
 そこを通りかかったのが、店にやたら狸の置物を飾っているそば屋のオヤジ。
 「おおいいね」なんて二、三本買ったのがきっかけとなって二箱あったのが完売。
 ボクの手に説明用に持っていたのが残っていたわけだ。

 これを帰宅後、一塩して昆布締めに。
 鮮度抜群なれども時間がないための応急処置だ。
 これを昆布締め大好きな、たかさんに手渡すと、ほんの数十秒で握りとなって出てきたのだ。
 たかさんは味見なのか、ただただおつまみに切って、うれしそうに食べている。
 「ちゃんと握りにして感想を言ってよ」というと、しぶしぶ一かんだけ口に放り込む。
「うまいよ」
「どううまいの」
「昆布締めがうまい」
「タヌキメバルなんだけど」
「白身だから昆布締めに向いているね」
 これじゃ困る。

 握りは思った以上にうまい。
 うますぎるといっても過言ではない。
 昆布の香りは控えめにしてある。
 上品な白身なんだけど、ちゃんと魚の旨味成分から出てくる甘みが感じられるのだ。
 しかもしかも、塩と昆布で締めてあるのに、食感がいいのだ。

「これがタヌキじゃ可愛そうだ」

寿司ネタ(made of)

タヌキメバル
Jacopever

タヌキメバル
日本各地の浅場に生息している。
北海道南部ではキツネメバル(タヌキメバル、キツネメバルは同種の可能性大)とともに「マゾイ」。
関東などでも北海道での呼び名を使うことが多いので「マゾイ」と呼ぶこともある。
ソイの代表的なもので、またもっとも味・・・・
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