寿司図鑑 751貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

金頭/カナガシラ

かながしら / カナガシラ
金頭/カナガシラ
握り

たかさんがホワイトボードを取りだして、マジックで品書きを書いている。
「カナガシラって漢字で書くとなんだっけ」
「金の頭だけど、何、カナガシラあるの」
「あるよ。鮮度がよくってさ、値段も手頃だからホウボウやめてカナガシラ買ってきた」
「うまい?」
「うまいよ。脂がのってるし、味がいいんだよ」

 ふーんと思っていたら目の前に二かん並ぶ。
「まあ、味見して」
 白く白濁したネタがむくむくと波打って見える。
 むくむく盛り上がっているのは鮮度のいい証だし、白濁して見えるのは脂がのっているために違いない。

 さて、ここでカナガシラとはどのような魚なのかを少々。
 全身が薄いレンガ色。
 漢字で「金頭」とも「鉄頭」とも書くがごとく、とにかく頭が固い。
 その頭が大きくて、尾鰭の方に緩やかに細くなり、胸鰭が翼となっている。
 胸鰭が翼なのだけど、その一部軟条(筋)が膨らんで昆虫の足のようになって、実際海底を歩いている。
 分類学上はカサゴの仲間で、このように胸鰭が翼状になり、一部が昆虫の足のようになっているものをホウボウ科という。
 陶然、近縁種にはホウボウがいる。

 おもむろに一つつまんで口に放り込む。
 すぐに甘みが感じられるのは、甘みではなく、脂の、本当はまったりとしているのが、甘く感じられてしまうもの。
 表面の脂が甘く感じられて、食感も思った以上にいいし、ほどよく魚臭さがある。
 すし飯との相性もいい。

「これ、どこでかったの?」
 魚屋を聞いたので、曲がった鉄砲玉のように急ぐ。
 ほんの数十秒ほど、そこには一匹のカナガシラも残っていなかったのだ。
 致し方なく、魚屋の社長に、「どこのカナガシラ」なのか、聞いたが空し、産地不明。

寿司ネタ(made of)

カナガシラ
Searobin

カナガシラ
北海道まで九州まで底曳きや釣り、刺し網などで水揚げされている。古くは上等の白身魚として人気が高かったもの。東北などで「君魚(きみよ)」というのは、殿様などが食べる上等の魚という意味だ。
節分や生後100日に行われるお食い初め(箸初とも)に使・・・・
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