寿司図鑑 749貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

生蛍烏賊/ホタルイカ

なまほたるいか / ホタルイカ
生蛍烏賊/ホタルイカ
握り

ホタルイカの入荷が盛期を迎えている。
 2月から山陰、若狭からのゆでホタルイカがきて、3月になって生の到来をみる。
 この生ホタルイカをどう評価していいのか難しい。
 生はゆでホタルイカの数倍の値段。
 値段が高い理由は刺身で食べるためだろう。
 でもこんなに小さいのに寄生虫(旋尾線虫)がいるために、内臓を取り去らなければならない。
 これがなかなか面倒だ。
 
 そこまでして刺身で食べたいのか?
 というのが今回のテーマでもある。
 福井県産の生ホタルイカをおずおずと、たかさんに渡す。
 4尾、5尾。
 まずは2尾ほどワタだしをして、刺身で食べる。
 たかさんの顔がほころんだので、5、6尾追加する。
「うまいよ、これは」
 ボクも慌てて食べてみたら、確かに、間違いなくうまい。
 柔らかい中にフワリと甘みが来て、イカらしい旨味もある。
 シコっとした食感も「あるじゃない」。

 最初にかなり小さめにすし飯を握り、また飯粒で加減してイカを乗せて、再度握って形を見る。
「これでいいかな」
 出てきたのは、まだまだ形として決まってはいない。
「なかなか難しいんだね」
「そうだね。思ったほど身がピンと立たないだろ、それに耳が垂れ下がるよね」
 そんなことどうでも良くなるほどに、握りはうまいものだった。
 小振りなんだけど、これがシコっとした食感の中に甘みがフワリ、次いですし飯が来るんだけど、相性がいいのか全体の味わいとなって響き合っている。

「たかさん、これはいけますね」
「いけるね。でもウチじゃ出せないね。残念だ」
 『市場寿司 たか』は薄利多売。
 しかも人件費がすしの値段に影響するので、たった一人っきりなのだ。
 ボクが今度ボランティアでホタルイカの仕込みでもやりますか。

寿司ネタ(made of)

ホタルイカ
英名/Firefly squid, Luminescent dwarf squid,Sparkling enope squid

ホタルイカ
本州以北にいる小型のツツイカ。相模湾、駿河湾、外房などでもとれるが、まとまって揚がるのは日本海山陰以北。一昔前までは富山湾特産といわれたが、鳥取県、京都府、兵庫県、福井県などでも盛んに水揚げされている。富山県は春に漁の最盛期を迎えるが、西ほ・・・・
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