寿司図鑑 777貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

ゆで帆立貝/ホタテガイ

ゆでほたてがい / ホタテガイ
ゆで帆立貝/ホタテガイ
握り

ホタテガイは養殖が確立する以前は高級な二枚貝だった。
 それが1970年頃から養殖が本格的に行われるようになり、今では大量に生産され、庶民的な値段となっている。
 そのためだろうか、すしネタとしても一般的なものとなっている。
 たぶん、近年ほとんどのすし屋でホタテガイの握りが食べられるに違いない。
 安いのは冷凍品、高いのは生、もしくは活けものだろう。
 食べるところは貝柱。
 冷凍しても、生でもなかなか見分けがつかないことがある。
 さて、ここまでは生のまま握るという話。
 今回はゆでてみる。
 市場では、ゆでホタテという商品がある。
 産地でゆでて出荷してきたもの。
 これがなかなか味がいい。
 でも茹でたての方がもっとうまいに違いない。
 ただし、活けをゆでると高くつく。
 安いゆでホタテがあるのに、敢えて活けをゆでることなんて、まずプロたちはやらない。

 だいたい持ち込んで説明したら、『市場寿司 たか』、たかさんが不思議そうに、
「これをわざわざゆでるの?」
 むりやりゆでてもらって握りに。
 最初は「バカだな」という顔つきだった。
「うまいね。どうしてなんだろう、食感がよくなってるし、甘いね。貝ってやっぱりちょっと火を通した方がいいんだね」
 食べた途端に、また不思議そうに話すのだ。
「これって凄いんじゃない」
 殻付きのまま短時間ゆでただけなのに、甘みがぐっと増している。
 驚いたのは貝柱の筋肉が収縮したのか、シコっとした食感が楽しめるのだ。

 平凡なネタだけど、一手間かけると、新しい発見がある。
 すしネタの世界には、こんな試行錯誤が大切なのだ。

寿司ネタ(made of)

ホタテガイ
Giant ezo-scallop, Common scallop, Frill, Fan-shell

ホタテガイ
東北以北の浅い砂地に生息する大型の二枚貝。イタヤガイ科のなかでももっとも生産量が多く、北日本で養殖・稚貝生産されている。純天然ものは非常に少ない。
古くは非常に高級なものだったが養殖されるようになり、庶民的な値段になった。・・・・
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