寿司図鑑 776貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

福子/スズキ

ふっこ / スズキ
福子/スズキ
握り

定期的にすしに仕立てて食べているものがあって、スズキもそのひとつ。
 戦後食料統制というのがあり、米、海の魚、砂糖、塩が自由に売り買いできなかった。
 飲食業も営業できず、開店休業状態だったのだ。
 そんなとき委託加工という苦肉の策が持ち上がる。
 客が1合の米を持参、手間賃をとってすしに加工するというもの。
 賛否両論あるが、これで戦後、すし屋の営業が始まったのだ。
 海の魚が使えないということでウグイ、セイゴなどが使われた。
 セイゴはスズキの20センチから30センチをいい、50センチくらいまでをフッコ(福子)と呼んだ。
 スズキは海の魚か、川の魚か、汽水域やときに川にも上る魚なので、この時期盛んに使われたという証言がある。
 江戸時代にも前海でとれる魚なのだから、よくすしネタとなったはずだと思っている。

 今回のものは川崎北部市場に来ている神奈川県三浦半島からの入会に入っていたもの。
 ちゃんと締めてあるので、死後硬直の段階にある。
 そろそろ梅雨の時期だからと脂がのっていそうだ『市場寿司 たか』と持ち込む。

「腹に餌が残ってるな。ダメだよ」
「腹の餌には気づいていたんだけど、1匹しかなかったからさ。思いついたときに、って感じ」
 下ろしてみるとそんなに悪くはない。
「よくもないな」

fukko0906111.jpg

 握りは、平凡だった。
 そろそろ旨味脂がのってくるだろうと思ったが、やはりスズキは活け締めの方がいいかも知れない。
「そんなに真剣に食べなきゃうまいけどね。そら口直しに、三つ葉を握ったから」
 珍しい三つ葉の握りに、もう一度、フッコを食べてみる。
 確かに平凡ながら、独特の風味があって、悪くない。
 ますます活魚を食べたくはなったけど。

寿司ネタ(made of)

スズキ
Japanese seabass

スズキ
夏場の釣りもので活魚などは高価だが、巻き網や定置網でとった野締めものは非常に安い。東京湾でまとまってとれているのもあり、夏場以外は高級魚とされていたのは過去の話になっている。
スズキの洗いは夏の風物詩でもある。本種が高級魚であったのは、冷蔵・・・・
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