「市場寿司 たか」で試行錯誤した新しい寿司ネタ、定番の魚貝類から各地の郷土料理や我が家の寿司まで種別に公開しています。現在めざすところは1000種のネタ図鑑にすることとし、市場と日本の水産物の可能性を試す。また地方での寿司というものを取り上げて我が国の「寿司」「鮨」「すし」のことを理解していきたいと思っている。
寿司図鑑 本巻
寿司図鑑 雑記
| 本巻801貫 | スポットエビ |
2009年7月19日 |
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とある地魚をだすことで有名な回転寿し、「北海道直送ボタンエビ」とあるポスターにスポットエビが燦然と登場していたり、何気なく「ボタンエビ」とあると、やっぱりスポットエビ、一皿二かんで「並」じゃなくて、一際高そうな皿に乗っかっているのをよくよーく見かける。
国内での呼び名を「ボタンエビとしてもかまわないんじゃないかな?」微妙なところにあるのが、とにかくスポットエビの立場だろう。
当然、地物扱いだと、犯罪だけど、単に「ボタンエビ」ならセーフ。
だいたい輸入し始めたときには堂々と「ボタンエビ」と箱に印刷してあったはず。
築地場内を歩いていても「カナダボタン」と書かれて売られている。
やっぱり「ボタンエビ」なのかな????
ボクとしてはこの曖昧な位置関係が嫌いだ。
例えば最初は「ボタンエビ」だった、国産ボタンエビ2種とまったく縁もゆかりもないアルゼンチンアカエビが、最近じゃ、こそこそと「ボタンエビ」で売られているのに対して、堂々としすぎていないかい?
回転寿しなんかでは、冷凍輸入されたものと明記しないわけで(本当はこれがいちばん重要なんだけど)、ボクは勝手にだまされたように感じるし、いやなんだよね、スポットエビって。
ただし、スポットエビを寿司図鑑にのせないわけにはいかない。
それほど目立つ存在となってしまっている。
築地場内で慌ただしく1箱2000円で買い求めて、『市場寿司 たか』に持ち込む。
解凍してみると、箱には約25匹(たかさんの数え方に間違いがなかったら)入っていた。
1尾80円は決して安くはない。
2尾で原価160円だから、たぶんずいぶん安く仕入れているだろう回転寿しでも、一皿3百円以上するだろう。
そういえば知り合いの主婦が面白いことを教えてくれた。
「あのね。回転寿しで3百円以上のお皿って、子供に“危ないからとっちゃダメ”ってあらかじめ話しとくの」
なにが危ないのか、不思議な表現だが、このあたりの機微が子だくさんの我が家にもわかりすぎるほど、わかる。
今回は変な様相を帯びてきた。
「たかさん、これ使う可能性ある」
「あるよ、うちなんかではね。このあたりのすし屋だって、使ってると思うよ」
確かにスポットエビはタラバエビ科でも国産ボタンエビ2種(ボタンエビとトヤマエビ)に近いわけで、「ボタンエビ」としても比較的良心的かもね?
出来上がった握りはなかなかいける、うまい。
ただしやはり冷凍ものだから、それなりの味わいだ。
「たかさん、ご感想をお聞かせ願えるかな」
「ああ、これはうまいんじゃない。やっぱり甘エビ(冷凍ホッコクアカエビ)よりもいいよ。なによりもプルっとしてるよね。味は値段なりかな」
最近、くせ者という言葉をあまり使わなくなった。
時代劇の殿様あたりが、人知れず屋敷に忍び込んだ忍者を見つけて「くせ者だ。みなども出あえ、出あえー」なんて、あのくせ者。
スポットエビって、まさにエビ界のくせ者だよね。
●市場魚貝類図鑑、スポットエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/sptted.html