寿司図鑑 802貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

黄金斑曹以/オウゴンムラソイ

おうごんむらそい / オウゴンムラソイ
黄金斑曹以/オウゴンムラソイ
握り

その昔、1種類であったムラソイが、何種類かに分かれる、その途上にあって、これがなかなか難しい。
 ただし食べる分にはみな目立たない、とてもうまそうにも思えない、地味な魚なので、一緒くたに考えても差し支えはない。
 ようするに目立たないカサゴに似た魚で、その黒々した地に黄金色の斑点が散らばっている。生息域はムラソイ類としてはやや北にいるもので、市場には岩手県などからやってくる。
 カサゴに似ていて、カサゴのたぐいなのだから、まずいわけがない。
 透明感のある白身で、味わいも上品しごく。
 ただ刺身にして旨味に欠ける、もの足りない。
 だから我が家では焼き切りにする。
 皮をつけたまま直火であぶる。
 これを氷水にとり、水分をよくよーく拭き取って刺身上に切るのだ。

 この半身を『市場寿司 たか』に持ち込む。
 たかさん、皮付きの半身を見て、まずは一文句。
「カサゴなんかで皮付きだと、すし飯との相性が悪いんだよな」
 まあとにかく、握ってもらったら、まさにその通り、すしネタとしてはうまい。
 身の味気なさを、皮下の旨味がじわりと浮き上がって、なかなかうまい。
 でも味わっているうちにすし飯が消え去ってしまうんだよな。
 しかもあぶった臭み(香りかな)が強く出過ぎている。

 すしネタというのは、うまいだけじゃ、ダメなんだなと、今更ながらに思い知る。

寿司ネタ(made of)

オウゴンムラソイ

オウゴンムラソイ
ムラソイはムラソイ、ホシナシムラソイ、オウゴンムラソイ、アカブチムラソイの4亜種が、ホシナシムラソイがムラソイと同種に、アカブチムラソイがオウゴンムラソイと同種に、計2種に統合された。
オウゴンムラソイは北海道から岩手県に生息するとされるが・・・・
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