「市場寿司 たか」で試行錯誤した新しい寿司ネタ、定番の魚貝類から各地の郷土料理や我が家の寿司まで種別に公開しています。現在めざすところは1000種のネタ図鑑にすることとし、市場と日本の水産物の可能性を試す。また地方での寿司というものを取り上げて我が国の「寿司」「鮨」「すし」のことを理解していきたいと思っている。
寿司図鑑 本巻
寿司図鑑 雑記
| 本巻803貫 | 近目金時鯛/チカメキントキダイ |
2009年7月22日 |
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「並んでると、きれいだなー」
近所の居酒屋のオヤジがつぶやく。
市場の魚屋に並んでいるのがチカメキントキなのである。
どこか金属を思わせる色合いの赤。
市場にあっても、やたらに目立つ赤だ。
「でも、身質はどうなの。白身だよね」
「きれいな白身ですよ。問題は歩留まりの悪さかな」
梅雨明けしたはずなのに小雨模様、魚の少ない時期の赤い魚はあっという間に売れてしまったのだ。
1尾だけ、『市場寿司 たか』に持ち込んで、握りにしていただく。
たかさんがもっとも好きな、“上品な白身”なので、仕事は早い。
ちなみにチカメキントキはウロコを取る必要はなく、とにかく大きすぎる頭を落とし、皮付きのまま三枚に下ろす。
皮とウロコが合わさって厚みがあるので、さっと包丁で引き、あとは切り付けするだけ。
「キントキはまな板が汚れない魚、だよね」
目の前にやってきた握りの、なんと美しいことか。
味だって、なかなか捨てがたいものがある。
白身魚であっさりとして、そんななかに、ちゃんと魚らしい旨味が浮かんでくる。
ほどよい食感で、すし飯とのなじみがいい。
実はこの日、新サンマ二かんを食べたばかりなので、実にチカメキントキがもの足りない。
「たかさん、最初にチカメで、そのあとサンマにすればよかったな」
「そうかい。オレは違うな。サンマのくどさを、白身で消すって感じだね」
●市場魚貝類図鑑、チカメキントキダイへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/kintokidai/tikamekintoki.html