「市場寿司 たか」で試行錯誤した新しい寿司ネタ、定番の魚貝類から各地の郷土料理や我が家の寿司まで種別に公開しています。現在めざすところは1000種のネタ図鑑にすることとし、市場と日本の水産物の可能性を試す。また地方での寿司というものを取り上げて我が国の「寿司」「鮨」「すし」のことを理解していきたいと思っている。
寿司図鑑 本巻
寿司図鑑 雑記
| 本巻832貫 | マサバ冷燻/マサバ |
2009年12月23日 |
|---|
旬:初秋から初冬
島根県浜田市にある水産技術センターからマサバの冷燻が送られてきた。
試作品である。
作ったのはトーボさんたちであり、県アドバイザーとしては身内なので、ここでとりあげていいものか迷う。
迷いながらも、あえて出すにはわけがある。
意外に知られていない水産技術センターでの仕事の一端をお見せしたいというのと、実際に食べてみて、絶品だったからだ。
さて、今回冷燻に使われているのは島根県石見地方で上がった、脂質20パーセント以上のマサバだ。
脂質をはかるというのは島根県ならではの技術で、しかも20パーセント以上というのは非常に高い数値なのである。
ようするに石見沖で上がった最上級のマサバを、水産技術センターが冷燻したもの。
燻製とは肉や魚を煙で燻したもの。
この煙の温度で味わいが変わるのだが、いちばん低い温度で燻したのが冷燻。
時間はかかるが、いちばん味がともいえるものだ。
結果から述べると、これが絶品だった。
しかもすしネタとして。
石見沖でとれるマサバを古くより、「石州さば」というのだけど、素材のうまさが燻煙された香りの中で浮かんでくる。
すし職人の渡辺隆之さんと、まずは単に味見して。
「やっぱり皮をとった方がいいね」
なんて、試しに握りにしたら、もっともっとこの真価が出てきたのには驚いた。
「たかさん、ただ食べたときよりも、すし飯に合わせた方がうまいね」
「そうだね。オレもびっくりしたよ。これくらいうまいネタもないね。たぶん硬さと、塩加減と燻製の香りがちょうどいいんだと思うな」
「それに口に入れて、少しするとトロっと感じない。これ脂がのってるせいだよね」
お客にも食べてもらおうよ、というので、たかさんホワイトボードに向かう。
「なんて書くね」
「石州さば燻製かな」
「石州ってどこ」
「島根県の西の方なんだ。昔は石見っていったの。あの石見銀山の石見だよ」
「おお、いいね。これこういうの好きだね」
島根県水産技術センター
http://www.pref.shimane.lg.jp/suigi/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マサバへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/masaba.html