「市場寿司 たか」で試行錯誤した新しい寿司ネタ、定番の魚貝類から各地の郷土料理や我が家の寿司まで種別に公開しています。現在めざすところは1000種のネタ図鑑にすることとし、市場と日本の水産物の可能性を試す。また地方での寿司というものを取り上げて我が国の「寿司」「鮨」「すし」のことを理解していきたいと思っている。
寿司図鑑 本巻
寿司図鑑 雑記
| 本巻855貫 | 口白/イシガキダイ |
2011年11月23日 |
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旬:秋から夏、産卵後以外味は安定
日本列島の暖かい海域の岩礁域にいる大型魚、
それがイシガキダイの端的な説明だろうか?
「磯魚」の代表的なもので、
イシダイとともに磯釣りの究極の本命のひとつでもある。
身体の文様は石垣になぞらえられているが、
ボクには昔、東京ぼん太が持っていた
風呂敷の唐傘模様に見える。
小さいときは口の周りが黒いが、大きくなると白くなる。
そのため大型のものを「口白」と釣り人は言う。
小振りでもおいしい魚で、
大きくなると旨みが増し、その旨みに厚みというか深みが出る。
この「口白」が肌寒い八王子の市場にやってきた。
産地は愛媛県。
活魚なので養殖カンパチと一緒にきたのではないだろうか?
大型の発泡に、2キロ級が5、6尾、
締めたばかりの血だらけの状態で
無造作に放り込まれていた。
キロあたり2000円台で、大型のイシガキダイとしては非常に安い。
相場の三割安といったところだろう。
思わず買ってしまって、ふと疑問が浮かんできた。
「これって天然か?」
『市場寿司』に半身を提供して、
すし職人渡辺隆之さんの意見を聞いてみる。
握りに仕立てて、口に放り込んだ途端。
濃厚な脂から来る甘みが広がる。
活魚なので少し硬すぎるが、
圧倒的な旨みが舌の上で主張してやまない。
「うまいんだろうね。店側からすると
こんなのもお客受けしていいんじゃないかな。でも…」
「でも…、???」
「でもカンパチと同じような味がするね」
イシガキダイという魚体を借りた
ブリ属のカンパチの味が確かに舌のどこかにある。
これ明らかにカンパチ同様に餌を与えて脂をのせている。
すなわち養殖ものに違いない。
市場の若い衆曰く、
「信じられないくらいうまいっす」
ということは、現代の感覚では味のよい魚なのだろう。
けどイシガキダイらしい味じゃない。
ちなみにイシダイ、イシガキダイは
たぶん古くから握りの種であったはずだ。
なにしろ江戸前ずしの種は非常に多彩で、
魚なら、たぶんなんでも利用していたのでないか?
それが確信になってきている。
ただし刺身ずし(そのまま握る)ではないはずで、
しょうゆにくぐらせて握っていたはずだが。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、イシガキダイ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/isidai/isigakidai.html