寿司図鑑 855貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

口白/イシガキダイ

くちじろ / イシガキダイ
口白/イシガキダイ
握り

日本列島の暖かい海域の岩礁域にいる大型魚、
それがイシガキダイの端的な説明だろうか?
「磯魚」の代表的なもので、
イシダイとともに磯釣りの究極の本命のひとつでもある。
身体の文様は石垣になぞらえられているが、
ボクには昔、東京ぼん太が持っていた
風呂敷の唐傘模様に見える。
小さいときは口の周りが黒いが、大きくなると白くなる。
そのため大型のものを「口白」と釣り人は言う。
小振りでもおいしい魚で、
大きくなると旨みが増し、その旨みに厚みというか深みが出る。

この「口白」が肌寒い八王子の市場にやってきた。
産地は愛媛県。
活魚なので養殖カンパチと一緒にきたのではないだろうか?
大型の発泡に、2キロ級が5、6尾、
締めたばかりの血だらけの状態で
無造作に放り込まれていた。
キロあたり2000円台で、大型のイシガキダイとしては非常に安い。
相場の三割安といったところだろう。
思わず買ってしまって、ふと疑問が浮かんできた。

「これって天然か?」
『市場寿司』に半身を提供して、
すし職人渡辺隆之さんの意見を聞いてみる。
握りに仕立てて、口に放り込んだ途端。
濃厚な脂から来る甘みが広がる。
活魚なので少し硬すぎるが、
圧倒的な旨みが舌の上で主張してやまない。
「うまいんだろうね。店側からすると
こんなのもお客受けしていいんじゃないかな。でも…」
「でも…、???」
「でもカンパチと同じような味がするね」
イシガキダイという魚体を借りた
ブリ属のカンパチの味が確かに舌のどこかにある。
これ明らかにカンパチ同様に餌を与えて脂をのせている。
すなわち養殖ものに違いない。

寿司ネタ(made of)

イシガキダイ
Spotted knifejaw, 台湾/斑石鯛

イシガキダイ
イシダイよりも暖かい海域にいて、東北などでは珍しいものだった。実際、『魚名集覧』(角川書店・日本常民文化研究所 1943年:昭和18-1958年:昭和33)などを包括した『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂 1981)には福島県小名・・・・
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