寿司図鑑 854貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

大姫/オオヒメ

おおひめ / オオヒメ
大姫/オオヒメ
握り

東京都と鹿児島県、沖縄県で共通する魚は多い。
鹿児島県といっても諸島部で、
ようするに三都県共通するのが熱帯域の海があるということ。
東京都小笠原、伊豆諸島の魚は築地市場を長年歩いていると
いつの間にか馴染み深いものとなってくるはずだ。
それが例えば沖縄那覇の泊漁港、鹿児島中央市場などで
そっくりそのまま見られることも多い。

意外に思われそうだが、東京都の海は南に広く、
例えば小笠原は沖縄同様に熱帯域なのである。
特に重要なのがマチ類といわれるフエダイ科の魚である。
例えば東京都を代表する魚を上げると、必ずはいると思われるのが
ハマダイ(オナガ)、アオダイ、ヒメダイ、オオヒメなど。
これを沖縄での呼び名からマチ類という。
白身で上品な味わいで、しかも鮮度落ちが遅く、
そのうえ歩留まりがいい。

マチ類は東京都を代表する魚だ、と言えそうだ。
が、実は一般的な魚ではない。
なぜなら高いからだ。
ある一定の値段を超えると、魚店やスーパーなどに並ばなくなる。
その一線を超える値段を常に維持している。

画像はマチ類の入荷をみる鹿児島中央市場
オオヒメ/大姫

ある日、築地場内の矢鱈に狭い通路を歩いていたら
場内仲卸の『大音』の大旦那とすれ違った。
「おはようございます」
と挨拶して、仲買の店をひとつ、ふたつ見ながら
目を上げたら、『大音』の前だった。
店の中から若旦那が
「おはようございます」
と、笑っている。

この日はいろいろ面白い魚があって、
いろいろ迷った末にナンヨウカイワリを買った。
支払いをしようと思い奥に行き、
足下にあったのがオオヒメである。
関東ではヒメダイと同じく「オゴダイ」という。
「非常に大きくなるオゴダイ」といった感じで、
目の前のも4キロ級で大きいことは大きいが
10キロを超えるオオヒメとしては小振りだ。

手頃なサイズのオオヒメを探していたので、即買い。
築地の運送屋さんにお願いして自宅まで運んでいただく。
基本的に魚は大きいほどうまい。
どっこいしょと三枚に切り分け、
端っこの身をペティナイフで切り取って
醤油に浸して口に放り込むと、非常に甘みが勝って、
食感も強く、舌に強く旨みを感じて、しかも後味がいい。

半身を『市場寿司 たか』に持ち込んで、
同じように口に放り込んだ、たかさんも
「うまい! 初めて食べたよ。
よく見る魚だけど、すし屋はぜったい使わないからね。
知らなかったなこれ」
握りになったら、赤い血合いがはえて、
これまた非常によろしい。

すし飯との馴染みもほどよく、
しかも、すし飯に負けないくらいに旨みがある。
後味がすーっと消えて、旨みの記憶だけが残る。
ついつい二個、三個を手が伸びる、そんな握りである。
「たまにクロムツなんか握るけど、
見た目も味の方向性も似ていないかな」
「そうだね。魚としてクロムツやムツと競合しそうだね。
脂の薄いムツだけど、
脂がないだけに魚本来の味わいが
くっきり感じられる」

『市場寿司』で本日のお任せ握りの一かんとして、出したら、
「これなんですか?」
お客の大半が聞いてきたという。
マグロ、ウニ、イカなどに混ざっても
一点光るネタであったようだ。
蛇足だが、大きい頭を大振りのまま煮つけたら、
これまた本年もっとも美味なる酒の肴となった。

寿司ネタ(made of)

オオヒメ
Snapper,Sea-perch

オオヒメ
沖縄、鹿児島、伊豆諸島、小笠原などが産地。
10kg近くなる大形魚で、関東、九州、沖縄では重要な食用魚である。
高級魚で、主に料理店で利用され、小売りされることはほとんどなかった。関東、沖縄、九州では古くからプロ(水産業者)の間では馴染みの・・・・
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