寿司図鑑 853貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

天狗螺/テングニシ

てんぐにし / テングニシ
天狗螺/テングニシ
握り

今年5月、熊本市の魚市場を歩いていたら、
それこそゴロゴロとテングニシがおかれている。
日本各地を旅して、日本各地の市場を見ているが、
これほどたくさんのテングニシを見ることはなかった。
案内してくれた『九州中央魚市』、隅坂さんに聞くと、
「熊本ではこの貝をよく食べるんですわ。値段もええし」
とのことで、熊本といえば浮かんでくる巻き貝となっていた。

比較的暖かい海域の浅い砂地などにいる、
ありふれた大型の巻き貝。
底曳き網のある地域では熊本ほどではないにしても、
どこでも食用となっている。
ちなみに関東でも食用とするが、
むしろ今はほとんど見られない
軍配ホウズキの親として有名であった。
ちょうど軍配の形の卵囊を乾燥させて着色をしたもの。
子供が口に含んで鳴らして遊んだという玩具が
実際、どのようなものであったのか、今では知るよしもない。

これが熊本から東京都大田市場を経由して、八王子までやってきた。
まだビロードの殻皮(貝殻を覆う皮)がふさふさした上物である。
八王子総合卸売センター『高野水産』の社長に、いくつかいただき、
金槌でとんとんと体層のあたり一カ所に穴を開ける。
ここから千枚通しで筋を切り、くるりと中身を取りだして、
『市場寿司 たか』に走り込む。
巻き貝は刺身としてはいいが、すしネタには向かない
という持論の持ち主である、たかさんなれど、
無理矢理二かんお願いする。

可食部分の色合いよりも、貝殻に
「きれいな貝だよね。ここに飾っておこうかな」
なんていいながら、海苔帯なしの二かんが目の前に来る。
味見用に刺身を口に放り込んで、「味のいい貝だね」、
というのを聞きながら、こちらもすしをつまむ。

やはりすし飯との馴染みが悪い。
が、貝らしい旨みがあり、コリコリとした食感が爽やかでいい。
すし飯となじまなくても、十二分にうまいではないか。
白身、赤身などに、このような一かんを差し挟んで、
まことに絶妙だと思うのだけど、
いかがであろう? すしっ食いの方々。

寿司ネタ(made of)

テングニシ
False fusus

テングニシ
日本各地で食べられているが、比較的ローカルな存在。
一般的に流通することは少ない。
産地では味のよい巻き貝として人気があり、特に有明海周辺などでは好んで食べられている。・・・・
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