寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
芭蕉梶木/バショウカジキ
ばしょうかじき / バショウカジキ
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この大きな背鰭を持つカジキを東京では芭蕉梶木という。
背鰭の形がバショウの葉に似ているためで、
実際、軟条がバショウの葉の葉脈のようで、
とてもリアルである。
ちなみにバショウとはショウガ科の植物で、近縁種にバナナなどがある。
松尾芭蕉の〝芭蕉〟という俳号がここからきているのは有名で
古くから庭に植えられていて人口に膾炙していた植物だ。
九州では秋に取れるので「秋太郎」という。
秋になるとまとまってとれ、味がよくなるためだ。
相模湾にも、バショウカジキが入ってきているようで、
夏から秋にかけてしばしば小田原から入荷をみる。
実は比較的安い魚なので、丸30キロの三分の一を買い求め、
『市場寿司』で握りに仕立ててもらった。
真っ先に買ったので、いちばん上(頭部に近い部分)が手に入った。
砂ずり、マグロでいうところの大トロ部分は、さすがに脂が乗っている。
脂が乗っていないとうまくない塩焼きにしても、驚くほどに味がいい。
皮がしゃわしゃわとして、口の中でつぶすと、
じわりじわりと脂がしみ出してくる。
すし職人のたかさんも
「バショウはうまくないと思っていたけど、
こんなに旨みがあって、脂がのっている時期があるんだね」
マカジキ同様に種にしてよいと、太鼓判を押すのである。
腹側の部分は筋が多いものの非常に美味であった。
脂のせいか、甘みがあり、筋もそれほど硬くなく気にならない。
すし飯に負けない味の強さがあり、へたな本マグロよりも味わい深い。
問題は背の部分。
うまいことはうまいが物足りない。
たかさんとあれこれ思案して、づけにする。
しょうゆにみりん少々合わせ、これに種をくぐらせる。
このまま1~2分ほど待ち握る。
薬味はわさびではなく、練り辛子である。
脂の甘さの代わりにしょうゆのアミノ酸、
みりんの甘みが加わって、やや淡泊すぎるのを補ってくれる。
「これ、いくらでも食べられる味だね」
「そうだね。古くからあったやり方だけど、いいね。
ちょっと物足りない魚なんかには非常にいいよ」
すしを食べた後の汁は、中骨でだしをとった。
これも絶品である。
寿司ネタ(made of)
バショウカジキ
英名/Indo-Pacific sailfish
主に刺身用として各地で食べられている。ほとんどが鮮魚で加工用になることは希。刺身だけではなく、ムニエルやフライ・・・・
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