寿司図鑑 雑記7

その日だけのネタを聞いて欲しい

2005-07-14

 八王子綜合卸売センターは八王子市北野町の浅川の岸にある。なんだかんだと公園や住宅、バスの車庫などごみごみしたところである。地方の市場はだいたいこんなところにあるに決まっているといったら市場通にはおわかりだろうか? その隅っこにあるのが『市場寿司 たか』である。店主のたかさんといったら、決して名店を作ろうとも、儲かる店をつくりたいとも思っていない。だいたい朝の「豪海投げ込み丼(ちらし)」が500円ではとても儲けは出ない。しかも困ったことに毎日のように訪ねてくるのが、もっとお金に縁のないぼうずコンニャクだから、悲しいたらありゃしない。しかも毎回、無理を承知で頼んでくる。今回のテーマは今は幻のネタ、「煮いか」である。夏に旬のマダイの春日子も持ち込んで。ちょっと旬の特ネタのお話をする。ちなみに寿司屋やいちばんうれしいのは、その日のネタを聞いてくれること。定番のネタよりちょっと高いが、これがうまいんだな!