寿司図鑑 438貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
月日貝の握り
つきひがいのにぎり / ツキヒガイ
握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
ツキヒガイは比較的暖かい海域の浅い砂地に棲息している。見た目にも美しく、食べてもおいしい二枚貝だ。
残念なのは漁が不安定なのと、全国的にみて漁獲量の少ないことだ。
秋深まる候、その比較的珍しい二枚が八王子の市場までやってきた。
本種は希に大量にとれることがあり、全国流通することもある、数年に一度あるかないかという程度だ。
これを1箱買い求め、市場寿司に持ち込む。
のれんをくぐると、「これはないだろ」、たかさんが予定外の仕込みに不満をたらたらである。
「こんな大きな貝殻でこれだけかよ」
「そうだけど全体の重さを考えると歩留まりは悪くないでしょ」
まずは貝柱を刺身にして味見をしてみる。想像以上にうまい。
「貝らしい風味っていうのかな、それも強いし、甘味もうま味もホタテ以上じゃない」
「柱が小さい以外は上だね。初めて見たけど、これなあに?」
ツキヒガイを一通り説明して、追加を10かん。
「たかさん、ホタテやめて今日はこっちにしな」
2006/11/03