寿司図鑑 718貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

虚鯊/ウロハゼ

うろはぜ / ウロハゼ
虚鯊/ウロハゼ
握り

意外に思われるかも知れないが、ハゼの仲間は刺身にしてうまいものが少なくない。
 有明海などに多いハゼクチ、天ぷらでよく使われるマハゼ、ひげ面のアカハゼ、そして今回のウロハゼ。

 関東ではとんとウロハゼを知る人は少ない。
 見た目からして、とてもマイナーな地味な魚である。
 ただし築地市場などでは、決して珍しいものでもない。
 天種屋(天ぷら材料の専門店)に生きたのが泳いでいる光景は、観光客などには珍しいだろうが、仲卸などからすると「またアレがきているな」的存在でもある。
 なんという魚なのか知らないまでも「アレ」というほどには認知されている。
 「うろ覚えだけど」と前置きして、「洒落か?」と思っていたら。
「“だぼはぜ”でしょう」
 と言うので、和名を教えてあげた事が多々ある。
 なにげにボクはウロハゼの知名度を上げているらしい。

 いつまで経っても表舞台にはたてない。
 立てないわけで、マハゼと比べると味が落ちる。
 落ちるけど、それなりに味の実力があるわけで、値段さえ折り合いがつけば買ってもいい。
 でも今回のものは驚くなかれ、キロ当たり3000円もするのだ。
 だから3匹だけ買ってくる。
 業者が値段に「売れないリスク」を上乗せしているもので、けっしてぼったくりではない。

 生きているのを見て、
「おいおい、オレにこれ殺せ(しめろ)っていうわけ、可愛そうで出来ないよ」
 バカなことをいきなり言うので、
「たかさん、さっさと握りにせんかい」

 出来上がった握り、見た目が「素晴らしい」。
 こんなきれいな握りは久しぶりだ。
 まことに年始に魚はなく、透明感のある生き生きしたネタを見て新鮮に感じた。
 そして味だが、思ったよりもうまいのだ。
「たかさん、味があるね。白身だけど、いい味じゃない」
「食感もいいよな。オレも期待しなかった分、余計にうまく思うな」

 ウロハゼは活けでなければ食べる気にならない。
 死んだ途端、真っ黒に変色し、鮮度が急速に落ちる。

 さて、最後にウロハゼを「夏の魚」として珍重する地域がある。
 児島湾(湖)を控えている岡山市周辺だ。
 マハゼを「冬のハゼ」、ウロハゼを「夏はぜ」なんて呼ぶ。
 今年は岡山から取り寄せてもいいから、夏のウロハゼを食べてみたいものだ。

寿司ネタ(made of)

ウロハゼ
Flathead goby, Bar-eyed goby

ウロハゼ
マハゼと同じような岡山県、北陸などでは食べているが、非常にローカルな存在。
マハゼよりも大きくなる。・・・・
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