寿司図鑑 823貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

沖目鯛/オキメダイ

おきめだい / オキメダイ
沖目鯛/オキメダイ
握り

世の中に珍魚というものがいる。
どんな姿形をしているのか? というと意外に平凡な姿であることが多い。
その最たるものがオキメダイなのだ。
探しても手に入れられるような魚ではない。
出会いは交通事故に近い。

そんな交通事故のようなことが、やはり突然にやってきた。
宮城県気仙沼のmakoさんから、「オキメダイ知ってますか」とのケータイが入ったのである。
欲しいんですけど、というと「10キロ以上もありますけど………」
これが届いたら、なによりもその大きさに驚きを感じた。

大の大人が両手で持つのがやっとだ。
これを『市場寿司 たか』渡辺隆之さんに丸投げする。
たささん、まな板には乗らないので台車の上で黒くて重いオキメダイと格闘。
やっと三枚に下ろしたときは、どっすんと尻餅をつく。

その切りつけた身のきれいなこと。
純白である。
たとえて言えば白い陶磁器のようだ。
刺身で味見して、その白身の大トロのような脂の甘みと、旨みにちょっと感激。
舌の上にのせると徐々に溶けていく。

柔らかいのだからすし飯との相性もいい。
すし飯の酸味がまったしして、ややとらえどころのない味わいを引き締めている。
「味はいいけど脂が強すぎるね」
これじゃ魚本来の旨さが感じられない、とたかさん。
「でもマグロの大トロと一緒でしょ。トロッとしているところがいいじゃない」
たかさんよりも脂好きのボク。

こんなことを言っている間に、オキメダイは冊となって、ネタケースにしまわれていく。
さて、お客さんの反応やいかん。
たくさんあった冊はすぐに売り切れ、実に好評であったということだろう。
2009年7月8日記す。

寿司ネタ(made of)

オキメダイ
Black fathead

オキメダイ
国内各地、台湾、ハワイなどで見つかっているが生息域などはまったくわからない。エボシダイ科のなかでも国内でもっとも新しく発見された種だ。希に定置網などに入るが非常に珍しい魚。
稚魚期、幼魚期、成魚になるにつれ姿を変える魚で、非常に同定が難しい・・・・
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