握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others

　甲殻類学者も惑わせるのがクリガニとトゲクリガニの存在。どこが違っているんだろう？　と何度比較してもわからない。これを説明するのも煩わしいので比較的南の本州以南でとれるクリガニは「トゲ」だと思うことにした。
　この外見はまたまた混乱を招きそうだがケガニにも似ている。童謡に「ケガニになれないクリガニ君」というのがあるがまさにそのごとく。
　しかも決してケガニにひけを取らない味なのだ。特に春から初夏に青森県の陸奥湾で上がる、内子を抱えた雌は一度食べたら病みつきになるくらいにうまい。青森県陸奥湾周辺の初夏の風物詩となっている。
　今回のものは内子を持つ時期ではなく、初冬の雄。時季じゃないな、などと期待しないでゆでてみたら、実にウマシ、だ。甲羅下や脚の筋肉の味は雌よりもうまいくらいだ。この身を取りだして直づけで握ってもらった。
「（ケガニよりも）殻が硬いから仕込みが大変だけど、おいしいカニだね。すし飯との口の中で一緒になる感じがいい」
　すし職人の渡辺隆之さんが、自分でつけてはおいしそうに食べている。
　確かに、たかさんさえ手間を惜しまないでつけてくれたら、ぜひとも食べたい握りだと思う。
「あと二、三かん、よろしく」