寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
三角バラ/牛肉
さんかくばら /
握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
八王子綜合卸売センター『市場寿司 たか』でいると、たびたびちん入してくるのが同『河辺ハム』の店長である。まことにうまいものには目のない男で、ついでに女にも酒にも弱いんだから、こまったもんだ。たかさんとギンザケに撮影をしていると勝手に1かんつまんで、勝手に感心してうなってる。そしてぷいっと何処かへ消えてしまった。そして持ってきたのが牛肉である。「まあ、値札を見て見ろよ!」と見たくはないが見てやると「上州牛三角バラ100グラム780円」とある。これは多摩地区いち肉の値段が安いとされている八王子綜合卸売センターでの値段。「デパートじゃ1400円だな。この肩のそばの肉はあんまりとれねえんだぞ」。まあ得意げに言うのだが、寿司には大きすぎるぞと、文句を言いながらたかさん、いきなり油も引かないでテフロンフライパンでじゅーっと表面を焼く。表面の脂が溶けだしたら、間髪入れずに出てきたのがコレ。押っ取り刀で口に放り込むと、まだ肉は暖かく、脂が液状に舌にこぼれてくる。それがぱらりとほどけるすし飯と合わさって口中すんごいことになって、もうゆるして、ゆるして、と言った状態になる。そして肉自体を噛みしめると甘いし、食感もほどよいし。牛肉の握りというのは珍しくもないが、こんなにうまいのは初めてだ。「モーー、モーー、2かん」。