寿司図鑑 583貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

岐阜県笠松町『旬彩工房』の焼き鯖鮨

やきさばずし /
岐阜県笠松町『旬彩工房』の焼き鯖鮨
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まずは現材料を見て欲しい。
 主役は「鯖」なのである。
 ここにマサバかゴマサバか、タイセイヨウサバ(輸入もの)かが明記されていない。
 いちばん最初に「米(富山県産)」なんてご丁寧にあげているのに。

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 主役の生まれ素性を書かないのは、まことにおかしい。
 だいたい漢字で「鯖」とはなんぞや?
 これが現行法の限界というか大きな欠陥のひとつだ。
 まあ、サバなどはいい方で、ボクの知り合いに「養殖ものは絶対に食べない」というある意味脳天気な若者がいて、そやつの大好きなのがコンビニの「ますの寿司」。
「あのね。その“ます”てのはサーモントラウトだから養殖だよ」と言ったら「鱒って漢字で書いてあるから、養殖とは限りません」なんてバカなことをいう。

 さて、表示に欠陥がある責任は、第一に行政の怠慢にあるのだから製造元の『旬彩工房』を責めてもせんがない。
 市場には鮮魚や肉屋、海苔乾物の店があって、そこに「惣菜塩干」という卸がある。
 ここには全国各地から様々な加工品・惣菜などが来るのだけど、「鯖寿司」とか「巻きずし」は定番的な商品のひとつだ。
 今回の「焼き鯖鮨」を製造した『旬彩工房』は岐阜県。
 羽島群笠松町ってどんな町だろうって想像するのも、また楽しい。

 この笹に包まれた端正な寿司を3個買い、1個は肉屋のコマちゃんに、1個は『市場寿司 たか』の渡辺隆之さんに差し上げる。
「すしをやるから家来になれ」
 なんて桃太郎のようなけちなことは言いません。

 まずは、たかさんが、
「うまいね。この手のヤツはよくできてるんだね。サバは真っ黒で存在感が薄いけど、ガリが挟んであって、全体のバランスがいい。ウチの握りよりうまかったりして(これは冗談である)」
 肉屋のコマちゃん、
「あまり噛まなくていいのがうれしいね。うまいよ。もう一個くれよ」
 そうだ、この日、コマちゃんのたった一本残っていた歯が抜けてしまったのだった。

 さて残った一個を、食べてみる。
「焼きさば」というと羽田空港で売り出してから、やたらに流行っている。
 でもボクとしては焼く意味合いがあるのかどうか疑問だ。
 むしろサバ自体の味わいを損ねるように思える。
 ただし素材の悪さは隠せてしまう。
 製造する側にとってはとてもありがたい現象だろう。

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皮が焦げ茶に変色してちょっと不気味だ。しかも種の同定は完全に不可能だ

 さて、ボクにもこの「焼き鯖鮨」はよくできた優れものに思える。
 たぶん小売りでは180円から200円くらいはするだろうけど、多少高くてもそれだけの価値有りとみた。
 残念ながらサバの存在感は薄く、うまいのかまずいのかわからない。
 でも食べてみて、後味がよく、酢加減がほどよいのでもうひとつ食べたくなる。

旬彩工房 岐阜県羽島群笠松町門間村東2012

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