寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
『市場寿司たか』特製の酢漬け茗荷の握り
みょうがのにぎり /
握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
「こんなの作ったんですけど食べてみてください」
たかさんが、中華『さくら』に茗荷(みょうが)の酢漬けのお裾分け。
「茗荷が安かったからガリ酢に漬けてみたんだ」
これは面白い。
女将さんにいれてもたった、うまいお茶をそこそこに『市場寿司 たか』にもどる。
この二つの店、扉と扉が二メートルも離れていない。
さすがに水曜日というのは暇らしい。
カウンターの中のたかさん、なんだかぼんやり浮かばない顔をしている。
さっきは珍しい生カラスガレイの縁側に大騒ぎしていたのだ。
「しかし暇だな。市場にゃ荷(魚貝類)もないしさ。早くも夏枯れか?」
「あのさ、さっき“さくら”さんにあげてた茗荷を握ってみてよ」
「ええ、あれ握るの」
「そう、茗荷の握りって京都なんかでやってたはずだよ」
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早稲田でござーい
作るのはいたって簡単だった。
時間にして20秒も経ってない。
これがまた、きれいな握りだ。
味も絶品。
このところ炊飯釜の調子が悪い、シャリがおかしいと言っていたが、そんなことはない。
すばらしい酢飯である。
そこに程良い苦みと香りをもった茗荷の酢漬けがのって、さっぱりした味わいに。
暑さでまいっていた頭がきりっとする。
たかさんも試してみて、うまさに驚いている。
「茗荷食べると物忘れするっていうじゃない。どうも逆だね」
「いやいやバカな子でも早稲田大学の入れるってんじゃない」
「違うでしょ。バカ田大学でしょ」
店の外を見ると、御前崎灯台出身のヒモマキバイさんが、鼻毛をヒラヒラさせながらこちらにやってくる。
その姿、バカボンのパパそのものだ。
鼻毛くらい切れよ!
「え、なに、何か言った?」
「言ってないよ」