寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
銀磯鰯/ギンイソイワシ
ぎんいそいわし / ギンイソイワシ
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漁の世界でも、釣りの世界でも“どうしようもないだろう”と思われている魚は多い。
この「捨てぜりふが聞かれる場所」が防波堤(波止)だったら、ギンイソイワシなんて最たるものだろう。
土日の防波堤は、釣りブームが下火になったとはいえ、家族連れでごったがえしている。
サビキ釣り、浮き釣り、投げ釣りと、家族ごと、銘々に楽しんでいるのだけど、間違いなくギンイソイワシを狙う人はいない。
望まれないのに結構釣れるのが、これまたギンイソイワシの面白いところだ。
防波堤では「何が釣れてもうれしい」。
これが本命筋のマアジだったり、小むつ(ムツの子供)だったらもっとうれしい。
メジナやメバルの子供だってうれしいだろう。
でも、鱗ザラザラで小さいギンイソイワシには子供だってがっかりする。
さて、この雑魚以下でしかないギンイソイワシは食べられないのか?
というと、食べられます。
しかもうまいのだよ。
鱗はとらないで三枚に卸し、腹骨をすき、血合い骨を抜く、皮を引く。
今回のものは沼津の定置網に迷い込んで、選別して捨てられようというのを拾ったものなのだけど、10匹ほども卸すと、たかさんがヘトヘトになっている。
それほどに小さい。
「こんなお土産、やだよー」
「うまい魚だから、がんばってよ」
午前7時前に拾って、東名高速を飛ばして、今の時刻は午後2時になっている。
そろそろ店仕舞いしようかという、たかさんをボクという災難が襲っているわけだ。
手間がかかって大変だが、出来上がった刺身は美しい。
味見して、
「これはうまいわ」
やっと、たかさんもご機嫌がもどったようだ。
握りにして、独特の風味が感じられる。
これはサヨリに近いものだけど、もっと濃くがある。
小さい割りに旨味が濃厚なのだ。
「キビナゴに似てるけど、違うよな」
「サヨリに似てない」
「似てるね。でもこっちの方がうまいかも」
一尾づけでも小さな握りにしかならない。
まことに小振りで、可愛らしい握りだ。
しかも味がいい。
「たかさん、これなら沼津に行ったら毎回拾ってくるよ」
無言で首を振るたかさんであった。
2007年12月3日のメモから
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ギンイソイワシ
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