寿司図鑑 632貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

銀磯鰯/ギンイソイワシ

ぎんいそいわし / ギンイソイワシ
銀磯鰯/ギンイソイワシ
握り

漁の世界でも、釣りの世界でも“どうしようもないだろう”と思われている魚は多い。
 この「捨てぜりふが聞かれる場所」が防波堤(波止)だったら、ギンイソイワシなんて最たるものだろう。
 土日の防波堤は、釣りブームが下火になったとはいえ、家族連れでごったがえしている。
 サビキ釣り、浮き釣り、投げ釣りと、家族ごと、銘々に楽しんでいるのだけど、間違いなくギンイソイワシを狙う人はいない。
 望まれないのに結構釣れるのが、これまたギンイソイワシの面白いところだ。
 防波堤では「何が釣れてもうれしい」。
 これが本命筋のマアジだったり、小むつ(ムツの子供)だったらもっとうれしい。
 メジナやメバルの子供だってうれしいだろう。
 でも、鱗ザラザラで小さいギンイソイワシには子供だってがっかりする。

 さて、この雑魚以下でしかないギンイソイワシは食べられないのか?
 というと、食べられます。
 しかもうまいのだよ。
 鱗はとらないで三枚に卸し、腹骨をすき、血合い骨を抜く、皮を引く。
 今回のものは沼津の定置網に迷い込んで、選別して捨てられようというのを拾ったものなのだけど、10匹ほども卸すと、たかさんがヘトヘトになっている。
 それほどに小さい。
「こんなお土産、やだよー」
「うまい魚だから、がんばってよ」
 午前7時前に拾って、東名高速を飛ばして、今の時刻は午後2時になっている。
 そろそろ店仕舞いしようかという、たかさんをボクという災難が襲っているわけだ。

 手間がかかって大変だが、出来上がった刺身は美しい。
 味見して、
「これはうまいわ」
 やっと、たかさんもご機嫌がもどったようだ。

 握りにして、独特の風味が感じられる。
 これはサヨリに近いものだけど、もっと濃くがある。
 小さい割りに旨味が濃厚なのだ。
「キビナゴに似てるけど、違うよな」
「サヨリに似てない」
「似てるね。でもこっちの方がうまいかも」

 一尾づけでも小さな握りにしかならない。
 まことに小振りで、可愛らしい握りだ。
 しかも味がいい。

「たかさん、これなら沼津に行ったら毎回拾ってくるよ」
 無言で首を振るたかさんであった。
 
2007年12月3日のメモから

寿司ネタ(made of)

ギンイソイワシ

ギンイソイワシ
定置網などで揚がるが利用しないで捨てられるもの。防波堤釣り(波止釣り)でも釣れるが雑魚として捨てられている。・・・・
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