寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
紅牡丹海老/パナマミノエビ
べにぼたんえび / パナマミノエビ
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パナマミノエビというのはボクが勝手につけたもの。
商品名である「紅ボタンエビ」ではどんなエビであるのか皆目わからない。
国内で流通する「ぼたんえび」は多い。
標準和名のタラバエビ科タラバエビ属のボタンエビ、同じくタラバエビ属トヤマエビが噴火湾沿岸で「ぼたんえび」と呼ばれていることから、国内産には二種類の「ぼたんえび」が存在する。
そして国内産よりも輸入物の「ぼたんえび」はもっともっと多いのだ。
タラバエビ科タラバエビ属ということではカナダスポットが単に「ぼたんえび」。
同じくタラバエビ科で別の属(ミノエビ属)の「ぼたんえび」がトンガ周辺にいる「桜ボタン(マルゴシミノエビ)」、パナマ周辺にいるのが「紅ボタン(パナマミノエビ)」である。
縁もゆかりもないクダヒゲエビ科のアルゼンチンアカエビがこれまた「ぼたんえび」なのだから面白い。
さてミノエビの仲間は国内にもいて、アカモンミノエビ、ミノエビはときどき流通の場にも出てくる。
ただ量的には少なく、マルゴシミノエビ、パナマミノエビの方が国内消費されている量は多いものと思われる。
とくにパナマミノエビは近所のスーパーなどでもときどき見かける。
さて、八王子総合卸売センター『福泉』に大量に入荷してきていたのがエクアドル産のパナマミノエビ。
マルハニチロホールディングスが輸入したもので、当然商品名は「紅ボタン」である。
一キロ入りで1300円は非常に安く、即買い。
まずは『市場寿司 たか』で流水によって解凍。
流水で解凍するのが時間的にも、質的にもいちばんよいようだ。
過去にも握りに仕立てているのだけど、たかさん剥いたエビの赤さに改めて驚いている。
「こんなに赤かったのかな」
「そうだよ。前にもそう言っただろ」
生で食べてみると、まことに味がいい。
「問題は赤すぎることだね」
赤すぎるネタをうまいと感じるか否か?
食べてみると絶品なのだ。
強い甘みがあり、身は甘えび(ホッコクアカエビ)よりもしっかりしている。
すし飯と馴染んでも、その甘さは消えず、まことに麗しき味わいなのだ。
「たかさん、これはいくらでもいけますね。嫌みがない」
「そうだね。これは甘エビよりもいいかもね」
商品名「紅ぼたん」は知名度から安いのである。
業者の皆さんにお教えしたいのは、このように評価の割にはうまいものをいかに利用するか、これが不況時には大切なことだろう、ということ。
寿司ネタ(made of)
パナマミノエビ
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