寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
天竺車海老/テンジククルマエビ
てんじくくるまえび / テンジククルマエビ
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それこそ世界中から大量に輸入されているのがクルマエビの仲間。
最近目立つものにバナメイ、そしてブラックタイガー、古くはタイショウエビなどがあった。
だから料理の本などをみると、今でもこの三種のどれかを使ったものが多い。
でも輸入クルマエビの種はそんなに少なくはない。
例えば近所のスーパーで見つけたものにクマエビがあり、フトミゾエビがある。
そして八王子の市場で見つけたクルマエビの仲間がわからない。
エビの同定は難しく、結局、千葉県立中央博物館の駒井先生に見てもらった。
たぶん駒井先生がいなければ、このエビの種はとうていわからない。
結果はタイショウエビ属のテンジククルマエビ。深く感謝、感謝。
市場では「大正エビ」という名で売られていた。
確かにタイショウエビ属のエビは色合い、形が似ていて、見分けられる人は少ないのだろう。
そう言えば、雑誌などで料理のページがあると、未だに「大正エビ」なんて表記されていることがある。
その多くが標準和名のタイショウエビではないことを覚えておくといい。
さてテンジククルマエビ(インドエビ)とわかったので、ゆでエビにする。
体が曲がらないように竹串をさして、一本一本ゆでる。
ここでまたまた発見があって、テンジククルマエビ、バナナエビ、タイショウエビの3種が同じ属である証拠がゆであがりの色合いに見いだせるのだ。
3種とも赤色が薄い。
過去の画像を見比べると、ブラックタイガー(ウシエビ属)、クルマエビ(クルマエビ属)と比べると、タイショウエビには赤の色素であるアスタキサンチンが少ないようだ。
でもゆでエビはとてもうまい。
ゆでたてを甘酢に漬け込む。
半日漬け込んで、すし職人の渡辺隆之さんに手渡すと、包丁で開いてあっという間に握ってくれる。
「たかさん、色合いが気にならないかな」
「気にならないね。最近のお客はエビに関しては、あまり細かいことは言わないね。エビの種類も増えたしね。それより大きすぎるな、これは。フライ用じゃないの」
確かに握りにはちょっと大きすぎる。
でも微かに酢の香りがして、ぷりっと噛み切れる。
エビの香りが高くて、甘みが強い。
「甘みはクルマエビほどじゃないけど、ちゃんと最初に舌にくるし、食感がいいな。甘酢に漬け込んだのも正解だと思うよ」
久しぶりに仕込みでお褒めをいただいた。
このテンジククルマエビの握りはうまい。
さて、市場でバラ売りしていて1本220円ほど。
仕込みをして、握りにして幾らになるのだろうか?
冷凍輸入ものだからといってその売値は、たかさん曰く「500円は欲しいだろうね」。
2かんで1000円!
「まあ、すし屋はばら売りじゃ買わないだろうけど、多分箱で買っても100円以上するだろ。150円かな。じゃあ350円から400円くらいだろうね」
実はこれは良心的な店のお値段。
すし屋で仕込んだエビというのは高いんだ、なー。
寿司ネタ(made of)
テンジククルマエビ
Indian prawn, Indian white prawn
現在最も安定して入荷してくる。
値段も手頃でスーパーなどでの定番的なエビのひとつ。
味がよく、フライなどにも利用できる大きさなので重宝だ。・・・・
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