寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
稚児鱈/チゴダラ
ちごだら / チゴダラ
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沼津の仲買、菊貞・山丁 菊池利雄さんから、
「底引きが終わりました。最終競りの魚を送りました。楽しんでください。これからは夏の魚になりますから、面白いものがあったら必ずまた送ります」
こんなメールが届いた。
五月中旬になると、毎年恒例になっている、底曳網終了の連絡である。
ほどなく沼津から、大きな荷物が届いた。
底曳網のカサゴ(ユメカサゴ)、ゲホウ(トウジン)、ムツ、ゴソ(ハシキンメ)、ノドクロ(チゴダラ)、ソコアマダイモドキ、ソコホウボウ。
ウチワエビも入っていて、こちらは刺し網で揚がったものだろう。
それこそ豪華絢爛な駿河湾海の幸だ。
このなかでいまだ寿司図鑑で取りあげていなかったのが、ノドクロ(チゴダラ)だ。
駿河湾のノドクロを三陸の方に見せると「なーんだドンコじゃないか」と言うだろう。
確かにどこからみても三陸のドンコ(エゾイソアイナメ)そっくりだ。
二種の違いは外見からはまったく判断しかねる。
エゾイソアイナメは銚子以北の浅い岩礁地帯に生息する。
チゴダラは深海底引きであがるくらいだから、東京湾以南の深い海底にいる。
生息域は違うけど、個人的には同じ魚なんじゃないか? と疑っている。
三陸でドンコが愛されているのは、その肝のうまさ故だ。
そして駿河湾ノドクロだって、肝のうまさでは負けてはいない。絶品なのだ。
三尾入っていた二尾に、その肝心の肝がほとんどなかった。
それこそ親指の爪くらいの大きさだったのだ。
当たりは一尾のみ。腹に大きな肝を抱えている。
この当たりの一尾を三枚に卸して、身をとんとんとたたく、ここにゆでた肝、ネギ、少量のみそを合わせて、またまたとんとんと叩くのだ。
どうして、とんとんたたいてしまうかというと、チゴダラは水分の多い魚で、身はほろほろとくずれやすい。
だから最初から、たたき、肝やみそ、薬味と合わせた方がいいと思ったのだ。
ようするに千葉県の「なめろう」、三陸の「みそたたき」となる。
確か、三陸ではドンコのみそたたきをよく作る。
これを『市場寿司 たか』に持ち込んだのだ。
見た途端、たかさんが嫌な顔をする。
「食べてみてくれる。まずはさ、ちょっと醤油たらして」
「うまいよ。うまいけど、すしにしてもだめだろうね。みそはすし飯と合わないよ。それでも握る」
このたたきを上にのせた握りがボクにはうまかった。
「悪くないじゃない。たたきはうまいし、ショウガのせると合うよね」
「でもそのまま食べた方がよくない」
残念なことに、その通りだ。
チゴダラの身は淡白で旨味に欠ける。肝のうまさが、それをおぎなってあまりある。
甘みは一切加えてないのに、肝の旨味が甘いように思えてくる。
確かに、これだけ食べる分にはとてもうまい。すし飯にあえて「のせなくてもいい」のかな?
逆にいうと「のせてもいい」んじゃないだろうか、うまいよ。
2009年5月11日
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チゴダラ
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