寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
アメリカウバガイ
あめりかうばがい /
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最近気になって回転寿司にもときたま行っている。
思ったよりもネタは保守的に見えるが、なかに「ホッキガイ」というのがあった。
出てきたものは、赤味の強いもので、これぞ正しくカナダ産に違いないというもの。
一様商品名というか和名があり、アメリカウバガイとなっている。
要するにアメリカ大陸東岸にいるウバガイの仲間という意味合い。
貝殻の形からして、国内のものに似ている。
身(足)が似ているのは当然なのだ。
先日、八王子元本郷の『鮨忠』さんと話をしていた。
目の前にあったのがウバガイ(ホッキガイ)。
北海道産の黒っぽいのと、福島県産のやや薄茶色のがあって、
「ホッキって重いんだよな。これくらいので300(グラム)はある。すっと仕入れ値が360円(当日はキロ当たり1200円なので)だろ、なかなかいい値段だよな」
「カナダは使ったことないの」
「ないね。回転寿司じゃないからね」
そしてカナダ産が当日、トレイ1つ8個分並んで280円だったのだ。
1個、なんと35円しかしない。
仕込みの手間も入らず、この値段なら魅力的だろう。
こちらも使ったことがないという『市場寿司 たか』に持ち込んで握ってもらう。
見た目は非常にきれいだ。
「薄気味悪いくらい赤いね」
「赤いだろ、オレら職人が初めて見たのはいつだろうな。見本に見せてもらって、ホッキも赤すぎると気持ち悪いなって」
国産のウバガイ(ホッキ)にもランクがあり、北海道産はゆでて赤くなる度合いが強いので高く、本州でとれるものは赤身が弱いのでやや安い。
「じゃあ、カナダ産はもっと赤いよ、って持ってきたわけだ」
「そうかな。覚えてないけどね」
出来上がった握りは、やはりそんなにうまくない。
クセもないし甘みも感じられるが、所詮冷凍されていたもの。
なんだかパサツクのだ。
「回転寿司で食べてる人が、これがホッキだって思うといやだね」