寿司図鑑 817貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

蝦夷目張/エゾメバル

えぞめばる / エゾメバル
蝦夷目張/エゾメバル
握り

エゾメバルとは“北海道などに多いメバルの仲間”という意味なのだろうけど、面白みに欠ける和名だ。
ボクは北海道での「ガヤ」という呼び名が大好き。
平凡なとぼけた顔をした魚で、群れを作って岩場で暮らしている。
北海道や東北に旅すると、わんさか売られている。
鮮度がいいし、安い、しかも煮つけや塩焼きにしてなかなかうまい。
見事に庶民的であることに徹している魚だ。

関東では鮮度のいいものにめったに出合わない。
普通の便で来ても、塩焼きや煮つけにするくらいだ。
今回のものはオホーツク海紋別から宅急便で来た。
ぎりぎりながら生でいける。

たかさんに手渡すと、見たことにない魚に「メバルかい?」なんて首をひねっている。
そうだった。
魚を同定して、初心者のとき、いちばん困るのが、こんな平凡な顔の魚なのだ。
平凡だけど、種類が判明しない。
喉に魚の小さな骨が刺さって、気持ち悪いような、そんなことってある。

「この魚、なんていうの」
「エゾメバルだよ。メバル」
「こっちにいるメバルとは違うよな」
「北海道とかに多いヤツだからね。こいつはオホーツク海産」
「へえー。寒いだろうねあっちは」
「冬になると流氷がくるからね」
たかさんブルブルと震える真似をしている。

出来上がったものは、あまり震えが来るようなものではなかった。
平凡な握り。
「味もメバルに近いね。旨味に欠けるね」
たかさんのメバルはウスメバルをさす。
最近、この青森などからまとまって入荷してくる沖合にいるメバルが安い。
毎日のように扱っていて、
「でもメバルの方が味がいいや」

確かに、ウスメバルの方が上かな。
でも十分に白身としてはうまいでしょう。

まるとみ渡辺水産
http://marutomi-kani.com/

寿司ネタ(made of)

エゾメバル
White-edged rockfish

エゾメバル
西部北太平洋に生息している。
北海道では「がやがや」賑わしいほどにたくさんとれるので「がや」という。東北・北海道は関東への重要な水産物の供給地であり、食文化的な結びつきも深い。エゾメバルとしての認知度は低いが魚屋や食堂などでは煮つけ用の魚の・・・・
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