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アフリカミナミイセエビ
あふりかみなみいせえび / アフリカミナミイセエビ
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「イセエビ」といえば結婚式、お正月と我が国の節句、儀式に欠かせないもの。
必需品なのである。
非常に日本的イメージを感じるものだが、ただ単に、「イセエビ」というとき、それは所謂伊勢地方でよく取れたという意味合いから名のついた本来我が国の暖かい地域でとれるイセエビとは限らない。
メキシコ、ニュージーランド、オーストラリア、東南アジアにアフリカなど世界中からイセエビは送られてきている。
国産のイセエビは乱獲と自然破壊によってあまりとれなくなっている。
その穴埋めが、この値段の安い外国産イセエビなのだ。
伊勢でたくさんとれたから「伊勢海老」なら、オーストラリアでとれるなら「オーストラリア海老」、アフリカでとれるなら「アフリカ海老」の方がいいんじゃないでしょうか、わかりやすくて、ともいえそう。
前置きが長くなったが、今回のものは南アフリカ産のイセエビである。
非常に遠いアフリカの最南端だが、ここからはアワビとイセエビが活けで出荷されてくる。
ジェット機で揺られ、今では国内最大級の成田港に到着する。
そして日本国東京都築地場内で売られていたわけだけど、国産イセエビがキロあたり8000円なのに、こっちは3500円と半額以下。
送料手間をのぞくと現地ではいったいいくらなんだろう?
そのうち、南アフリカにいって確かめたい。
我が家の大鍋で塩ゆでしながら、遙か彼方から送られてきたイセエビ君が哀れに思われてならない。
これをそのまま『市場寿司 たか』へと持ち込む。
たかさんに手渡すと、
「なんだ、高砂や、ってか」
イセエビを見ると結婚式しか思い浮かべない、これ貧乏人の性というやつだ。
「これイセエビ?」
「まあ大まかにいうとそうだけど、科は同じでも属が違う。話が込み入ってくるけど、ようするに南半球にしかいないイセエビの仲間ってことかな。色が違うでしょ」
「違う違う、こっちの方が明るい赤かな」
エビカニ大好きのたかさん、いつの間にか解体を終え、とんと切り落として味見する。
黙って二かん。
「あんまり味がないね。まずくはない。国産食べてなきゃね」
確かに甘みも、エビの風味も薄くて、繊維質でほどよくなめらかにほどけるはずの、身の感触が粗い。
「エビとしてはダメだね。落ちるよね」
「まずくはないよ。握りにしたら上等だよね」
最後にふたりでミソを味見して、「やっぱりうまくはない」と意見は一致。
せっかく遠路はるばるやってきた南アフリカ産イセエビだが、値段だけが魅力かな?
寿司ネタ(made of)
アフリカミナミイセエビ
英名/Cape rock-lobster
フランス名/Langouste du Cap
世界中の暖かい海にいるもので、非常に大型になる。
国内ではイセエビを代表としてカノコイセエビ、ニシキエビなど。
ニュージーランドや南・・・・
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