寿司図鑑 1419貫目
もろこ押しずし
もろこおしずし / モツゴ


淡水魚を使った「すし」というと鮒ずしに代表されるなれずしが思い浮かぶ。また淡水魚の佃煮などをのせたすしも愛知県などで見られる。
今回とりあげるのは小魚を佃煮をのせた押しずしである。岐阜、滋賀県、そして尾張木曾三川で見られる。これを作るには「もろこ(モツゴ、タモロコなど)」を甘辛く佃煮にする。
酢飯を押しずしの箱に入れて佃煮を表面にのせ一夜押す。押しずしを作る箱と押しをかける道具も独特のもの。尾張木曾三川の淡水魚の食文化のよすがをしのぶに「もろこ押しずし」は格好のものである。
味わいは甘味も絶妙な佃煮、その味わいに小魚の苦みがさしてくる。すし飯はやや甘めで、優しい味に仕上がっている。
佃煮で作るすしというので鄙めいたものを想像していたら思いがけず洗練されたものであった。これはどうも今回たずねた津島市の「末広寿司」の持ち味かも知れぬが、まことにうまい。
尾張津島に優れるもの、古い街並みと「もろこ押しずし」ということか。
[末広寿司 愛知県津島市本町1丁目66]
寿司ネタ(made of)
モツゴ
Stone moroko
関東では古くからの食用魚で、佃煮の原料としても重要である。ただし今、じょじょに高騰している。これは漁業者がいなくなったた・・・・
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