寿司図鑑 1440貫目
オオサガの握り
おおさがのにぎり / オオサガ


オオサガは東北、北海道などで水揚げされる大型の赤いカサゴである。産地では赤いカサゴを「さが」と呼び、なかでも大きいので「大さが」となった。関東の市場では「目抜け」と呼ばれることが多い。これは深海から揚がってくるときに水圧の関係で浮き袋がふくらみ、目が飛び出すからだ。
昔は安い魚の代名詞であったが、近年は超高級魚となっている。主に鍋ものや焼き物などになる魚で、すしダネにはまず使われることがない。
すし職人のたかさんも、三枚下ろしにしたものの、どうつけるか悩んでいる模様だ。
「思い切って身と皮を別々につけたらどうかな?」
「それなら簡単だね。刺身はちょっと単調だけど甘くてうまいからね」
血合いが鈍い色なので見た目はそれほど美しくはないが、脂が混在して白く濁った種は実にうまそうである。
実際、口に放り込んだら、真っ先に甘味がきて、すぐにうま味が追いかけてくる。舌の上がにぎやかで楽しいではないか。
「問題は見た目だけかな」
プロはこのような種がいちばん難しいのだ、という。
寿司ネタ(made of)
オオサガ
Angry rockfish
一般的には種名はまったく知られていない。また近年では「目抜け」という言葉も知られていないと思う。
古くは安い魚であって、家庭料理に多用されたもの。
あまりとれなくなり、流通の発達とともに味の良・・・・
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