寿司図鑑 1466貫目

テンジクダイのとんとんずし

てんじくだいのとんとんずし / テンジクダイ
テンジクダイのとんとんずし
郷土ずし Kyoudozushi

価格ランク

安

 和歌山県和歌山市雑賀崎は小魚や食べにくい魚などを食べる食文化がとても発達している。アカハゼ、アカタチ類、ヒイラギにヒメジなどを干したり、押しずしにする。
 作られるすしのなかでも特異なのは「とんとんすし」である。小骨があって食べにくい小魚などの頭と内臓を取り、とんとんとミンチ状にたたいて甘辛く煮つける。ようするに「でんぶ」にするのだ。これをすし飯の上に乗せて押しをかける。
 押しずしの一種ではあるが、「でんぶ」だけというのは珍しいと思う。
 これを和歌山県和歌山市雑賀崎の金栄丸さんに教わって、作ってみた。
 テンジクダイの「とんとん(でんぶ)」は甘辛い味の中に魚からでるだしというかうま味を感じられる。イヤミのない味わいですし飯との相性もよくとても美味である。
 すし職人の渡辺隆之さんに聞くと、東京でも「でんぶ」で作る押しずしはあったとのこと。
 この「とんとんずし」のうまさに、雑賀崎の魚食文化の奥深さを感じる。

寿司ネタ(made of)

テンジクダイ
Cardinal fish

テンジクダイ
主に西日本で食用魚として流通する。瀬戸内海周辺では一般的な食用魚だ。
唐揚げになることが多い。他にはすり身にして揚げる、煮るなど様々に利用。
小魚で狭い地域での流通(例えば四国と山陽地方とか)はあるが、広い地域での流通はないので地方名が多い・・・・
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