ヒラの軍艦巻き
ひらのぐんかんまき / ヒラ
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ヒラは主に和歌山県西部以西の沿岸域にいる大型のニシンの仲間である。知らない人が若魚を見るとニシンと思うほどニシンに似ている。岡山県の刺し網漁師さんに言わせると1mを超えるのがいるそうなので、これまた知らない人が見るとびっくりするかも知れぬ。
ニシン目の特徴は小骨が多いことだが、本種の場合その小骨が硬く強い。当然、とても水洗いしただけでは食べられない。そのせいかこの魚を利用している地域は限られる。
岡山県から遠路大きいのを持ち帰って、半身を『市場寿司』に持ち込む。すし職人のたかさん(渡辺隆之さん)は「なんだこれ?」という顔をする。ちなみに本種を持ち込んだのは始めてではない。
「たかさん、それ端から1mmくらいの幅で切りつけていくんだ」
「アユの背ごしのように」
「そう。背ごしのように」
大型のまな板を出してきて、ふきんを敷き、皮目を上にして置く。頭の方から包丁を入れて切り離して行く。
「たかさん、これなら岡山に行って市場で働けるよ」
「ばか言うな。岡山じゃこんなことやってるのかい」
「そうだよ。これやらないと一人前じゃない」
まずはしょうがしょうゆをつけて食べてみる。
「あらら、うまいじゃねーか」
「うまいでしょ。ボクはもっとも味のいい魚のひとつだと思っているわけさ」
つけてよ、というと黙って軍艦巻きにして出してきた。口に放り込むといきなりうまい。噛みしめると脂がじわりと浮き上がってきて甘味が感じられる。
「これ一かんのすしとして上等じゃないかな」
「そうだな。初めて食べたけど上等の上等だね」
初めてではないけれどね。
寿司ネタ(made of)
ヒラ
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熱帯域などでは重要な食用魚である。国内では西日本に多く、春から夏の産卵期にはたくさんと・・・・
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