寿司図鑑 50貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
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さるぼうの握り
さるぼうのにぎり / サルボウガイ
握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
春は東京湾の干潟がにぎわしい。
アサリやバカガイ漁が最盛期になり、それに混ざる、にし(アカニシ)、サルボウなどを甘辛く煮て、おっかさんたちが港前でパラソルを開いて店を出す。
こんな光景が都心から数十分ほどの船橋(千葉県)で見られるのだから、江戸前も捨てたものではない。
船橋では煮てしまうサルボウが大好きなのが山梨である。ときに魚屋の店先に「小赤あります」と出て、中を覗くとこれがサルボウの刺身である。
実をいうとサルボウの刺身はとてもうまいのだ。
これを持ち込んだ『市場寿司 たか』、たかさんはさすがに「小赤」を知っていた。
待つほどのこともなく出てきたのが端正な握り。
味がはなはだアカガイに近いからアカガイの偽物なんて言われるが、決してひけを取るものではない。アカガイ以上に甘く、ほどよい苦み渋みが感じられる。
「意外に小赤、いいな」
すし職人歴30年を超える、たかさんの呟き。
2011/05/20