寿司図鑑 192貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

笹ずし(長野県小谷村)

ささずし(ながのけんこたにむら) /
笹ずし(長野県小谷村)
郷土ずし Kyoudozushi

山間部の岐阜や長野で作られるのが、笹や木の葉を器とする寿司。有馬皇子は椎の葉に盛ると和歌に詠むが、現在使われるのはクマザサ、カシワ、ホウノキの葉であろう。甘めのすし飯を作り、軽く握って葉の上にのせるところから寿司の形態からすると握りずしに分類されると『すしの事典』(日比野光敏 東京堂)にある。ただ思うにこれは植物を器にするという独立した寿司の形態であると思う。なぜなら作られる地域が山間部に位置することや、使われる植物が他にも食物を加工・保存するときにしばしば使われるものだから、間違いなく自然発生的に生まれた寿司の形態だろう。ひょっとすると仏事や、飛躍した考えながら子供がままごとをするのを見た大人がヒントを得て作り始めたのかもしれない。これを「握る」ということでくくるのは不思議だ。のせる具はシイタケ、インゲン、紅ショウガや蕗。精進に限られるのもゆかしいな。

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