寿司図鑑 260貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
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虎がにの握り
とらがにのにぎり / シマイシガニ
握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
忙しいようで、たかさんは慌ただしく、お持ち帰りの握りをあつらえれいる。
どことなく険悪な空気が店内に漂っていた。これは「お呼びでないかも」と後ずさりしていたら、
「何持ってきたの。面倒じゃなきゃ握るから」
というので出したのがシマイシガニである。
「だからさ、カニは難しいんだよね。軍艦にすりゃ簡単だけどね。海苔の味でせっかくのカニの味がだめになる」
やはり今日はやめようと後ずさりしたら、
「朝から1本(すし飯2升分)握ったのよ。おれも最近疲れやすいしさ」
それは仕事のせいじゃなくて、昨日、きれいなねえさんの店に行ったからじゃないの。と、勘ぐりながらもちゃんと握りとなってボクの前にきた。
不器用なボクがやっと殻から取りだしたがために、身は細切れに近い。
「たかさん、天才」
と感激して、一気に口に放り込む。とたんにぐさっと来たのは取り損ねた殻ではない。強いカニの風味に甘さだ。ここの濃厚な味をすし飯が後味を軽くする。
感動していると、「ピピピピ」とタイマーが鳴って次の1本が炊きあがる。