寿司図鑑 290貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
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鷹羽鯛の握り
たかのはだいのにぎり / タカノハダイ
握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
冷え込んだ朝、市場で活を見つけた。それを市場寿司に持ち込む。
皮を引くと下から脂の皮膜に覆われた真っ白な身が出てきた。寿司職人の渡辺隆之さんがちょっと臭いを嗅ぐ。「大丈夫だな」という顔つきをして切りつける。
「冬だから絶対にうまいに決まっている」
と言っても、過去に臭くてだめだった経験があるだけにタカノハダイを警戒する気持ちは痛いほどわかる。
「今年の夏のは臭かったね」
と顔をしかめて、そして出てきたのがきれいな2かん。実に美しいけど、淡泊で旨味に欠けるなと思っていたら後から脂の甘味が滲み出してきて、もっと遅れてうま味が追いかけてきた。
「たかさん、これ最高でしょう」
「活なら使えるとは知りませんでした」
磯魚で夏の野締めには耐えられないほど臭いのがある。それが冬になると臭みが洗い流されてしまうようだ。
「トビかと思ったら鷹のはだい」
「たかさん、座布団一枚」
2006/01/11